コラム

SDGs(持続可能な開発目標)とは? 17の目標などについて解説

2023.04.12

「SDGs(エスディージーズ)」が、ニュースや新聞で頻繁に取り上げられるようになりましたが、SDGsについてよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、SDGsの概要、企業で取り組めることについて解説します。

SDGsとは?

SDGsは、「Sustainable Development Goals」の頭文字を取った言葉で、持続可能な開発目標を指します。

 

持続可能な開発目標(SDGs)とは、貧困、不平等・格差、気候変動による影響など、世界のさまざまな問題を根本的に解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために設定された、世界共通の17の目標です。

 

2015年9月、ニューヨークの国連本部で開催された持続可能な開発サミットにて、誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)を理念とする「SDGs」が採択されました。

SDGsにおける「持続可能」の意味とは?

持続可能とは、将来の世代のための地球環境や資源が守られ、今の状態が持続できることです。

 

また、開発とは、すべての人が安心して、自分の能力を十分に発揮しながら満足して暮らせることを指します。

SDGsで掲げられた17の目標とは?

SDGsが掲げる17の目標とは、世界中の人々が平等かつ安全に生きることのできる社会を作るための目標のことで、17種類それぞれが現在の世界が抱える包括的な課題です。

 

目標の中には飢餓や貧困の問題、気候や生態系など環境問題などもあります。

 

飢餓や貧困というと、発展途上国の問題のように思ってい入る方も多いかもしれませんが、日本にも子どもの貧困などの貧困問題が存在します。

 

SDGsで掲げられている17の目標について、内容を確認していきましょう。

 

・SDGs1 貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

 

・SDGs2 飢餓をゼロに

子どもからお年寄りまですべての人たちが、栄養のある十分な食事を取り、持続可能な農業をすすめることで世界中の飢餓を終わらせることを目指す目標です。

 

・SDGs3 すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

 

・SDGs4 質の高い教育をみんなに

すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

 

・SDGs5 ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

 

・SDGs6 安全な水とトイレを世界中に

すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

 

・SDGs7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する

 

・SDGs8 働きがいも経済成長も

すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

 

・SDGs9 産業と技術革新の基盤をつくろう

強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

 

・SDGs10 人や国の不平等をなくそう

国内および国家間の格差を是正する

 

・SDGs11 住み続けられるまちづくりを

都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

 

・SDGs12 つくる責任 つかう責任

持続可能な消費と生産のパターンを確保する

 

・SDGs13 気候変動に具体的な対策を

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

 

・SDGs14 海の豊かさを守ろう

海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

 

・SDGs15 陸の豊かさも守ろう

陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

 

・SDGs16 平和と公正をすべての人に

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

 

・SDGs17 パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

SDGsのメリットとは?

SDGsのメリットについて解説します。

有利な資金調達

SDGsとは別に、ESG(Environment Social Governance)という考え方が広がっています。

 

ESGとは、頭文字である環境・社会・ガバナンスに配慮しながら企業活動をすることで、SDGsが目的であるのに対して、ESGはプロセスを重視した概念です。

 

自動車産業では、二酸化炭素排出量を抑えた環境を実現するために、電気自動車を生産していますが、このような規模の大きいビジネスで、SDGsを達成するのは莫大な資金が必要です。

 

そこで、SDGsへの取り組みや経営方針を評価基準としたESG投資という新しい資金調達方法が広がっていて、企業がSDGsに対して積極的に取り組む姿勢をアピールすることによって、投資家からの資金調達を有利に進められるというわけです。

ビジネスチャンスが増える

SDGsが掲げる17の目標には、環境保護などの世界規模の課題が多いので、SDGsの目標達成を通して、社会に貢献している企業と認識されるため、ビジネスチャンスを拡大できます。

 

さらに、事業として、SDGsに取り組んでいる場合、企業ブランディングにも役立つため、競合他社との差別化に優位性をもたらすでしょう。

企業組織の強化

SDGsに取り組むことで、組織の強化にも期待できるでしょう。

 

働きがいも、経済成長もといった目標を達成することによって、優秀な人材の確保や、従業員の自社に対するエンゲージメントを高められます。

まとめ

SDGsは、世界中で取り組まれており、企業イメージを向上させるためにも重要です。

 

SDGsの実践で、環境・人権・貧困問題などの課題の解決に貢献することができますので、できることから実践し、積み上げることで、企業の価値を高めていくとよいでしょう。

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