コラム

ITリテラシー教育とは?重要性や企業で実施すべきITリテラシー研修を解説

2023.04.27

誰もがパソコンやスマートフォンから、SNSなどを使って、気軽に情報発信できるようになりました。

 

それによって、企業においてもITリテラシーが求められるようになっています。

 

ですが、従業員のITリテラシーが低ければ、情報漏えいのリスクや、生産性の低下が起こるかもしれません。

 

時代の変化に合わせた働き方の変革が求められている昨今では、ITリテラシーはどの企業も取り組むべき課題です。

 

今回は、ITリテラシー教育の重要性について解説します。

ITリテラシーとは?

ITリテラシーとは、コンピュータやネットワークに関する知識とそれを活用できる能力という意味です。

 

厚生労働省が発表した「平成29年度ITリテラシーの習得カリキュラムに関する調査研究報告書」では、基礎的ITリテラシーを以下のように定義しています。

 

【基礎的ITリテラシーの定義】(厚生労働省)

 

現在入手・利用可能なITを使いこなして、企業・業務の生産性向上やビジネスチャンスの創出・拡大に結び付けるのに必要な土台となる能力のこと。いわゆるIT企業で働く者だけでなく、ITを活用する企業(ITのユーザー企業)で働く者を含め、全てのビジネスパーソンが今後標準的に装備することを期待されるもの。

 

ITリテラシーとは、IT技術に関する知識を持っているだけでなく、業務上の課題の解決や業務効率向上のためにIT技術を活用するスキルのことを意味しているということです。

ITリテラシー教育の重要性とは?

ITリテラシーが不足していると、業務が円滑に進まないだけでなく、情報を適切に扱えないことによって、企業の社会的な信用を失う可能性があります。

 

そこで、ITリテラシー教育の重要性について解説します。

生産性への影響

ITリテラシー教育が不足していると、企業にIT活用が浸透せず、生産に悪影響を及ぼす恐れがあります。

 

アナログな職場では、紙資料の保管に場所代がかかるだけでなく、紛失するリスクもあります。

 

また、情報の伝達に、時間や手間がかかったり、タイムラグが発生したりするので情報共有がうなくいかず、業務の属人化が発生しやすいです。

 

このように、アナログ業務では、効率が低下するので、生産性に悪影響がありますので、ITリテラシーを教育し、ツールの活用にで業務を効率化させることが必要です。

ITを安全に利用するため

ITリテラシーが低いと、誤操作などのミスによって情報漏洩のリスクが発生します。

 

また、企業がSNSの運用をしている場合、従業員の不適切な発言が原因となって、企業の信頼性が低下してしまう可能性もあります。

 

このような事態を回避するには、従業員ひとりひとりのITリテラシーを向上させなければいけないでしょう。

ニューノーマルな働き方への移行

多くの企業で、テレワークの推進やオンライン会議の促進が顕著となっています。

 

企業がニューノーマルな働き方を提唱しても、従業員がオンライン会議やリモートワークのツールを活用できなければ、業務効率は低下してしまうでしょう。

 

テレワークやオンライン会議がスタンダードになった、ニューノーマル時代では、従業員のITリテラシーの底上げが必要不可欠です。

正しい情報かを判断できるようにする

ITリテラシーが低いと、インターネット上の情報が正しいのかを判断できません。

 

企業として戦略を立てるには、正しい情報を収集する必要があります。

 

デマや間違った情報を鵜呑みにすれば、最新の市場動向を正確に把握できません。

ITリテラシー教育や研修が必要となる目安とは?

ITリテラシー教育や研修が必要な企業とは、どのような状態にあるのでしょうか。

 

以下で見てみましょう。

従業員間のITスキルの格差

業務において、ITシステムやツールを使用する企業では、全従業員のITスキルを一定以上に保つ必要があります。

 

従業員間のITスキルの格差がある状態だと、業務効率に大きな差が出てしまい、ITスキルが低い従業員が生産性向上の足を引っ張ってしまう恐れがあります。

 

従業員が業務で使用するツールに関わるITリテラシーを一定水準以上に底上げし、ITスキルに格差が起きないようにしなければなりません。

ITツールを使いこなせていない

テレワークやオンライン会議の促進によって、ITツールを活用する機会は増得ています。

 

デジタル化は、多様な働き方や業務効率向上に寄与しますが、ITツールを使いこなすことができなければ、効果はないでしょう。

 

パソコンなどのデバイスについても、自分でトラブルを解決できず、業務時間を割いてしまうことが多い従業員には、ITリテラシーの教育をした方がいいでしょう。

経営陣のITリテラシーが低い

新規事業の戦略や企業の働き方について決める際、経営陣のITリテラシーが低いと、時代の流れや現場のニーズに合わせた判断ができないことがあります。

 

というのも、ニューノーマルな働き方が提唱されている現在では、企業戦略や労働環境は、ITシステムとを切り離すことができないからです。

ITリテラシーを高める従業員教育とは?

自分の職場は、ITリテラシー教育をした方がいいと判断された場合、研修方法についてご紹介します。

 

特徴を比較して、職場の状況に応じて、最適な方法を検討してみてください。

基本的なIT知識の習得

ITを活用するには、ITツールの使い方やアプリケーションなどのソフトウェアの仕組みといった基本的なIT知識の習得が、必要になります。
 
 
 

セキュリティリスクの周知

ITリテラシーの教育に伴い、セキュリティリスクを周知させる必要があります。

 

従業員に、トラブルの事例を紹介すると、従業員は、当事者意識を高めて、セキュリティ対策を強化するでしょう。

 

また、パソコンとスマホの利用やSNSの運用に関して、ガイドラインを策定するの1つの手です。

研修をさせる

ITリテラシーを個別に指導すると、全社員に浸透するまでに時間がかかります。

 

ですから、基本的な ITリテラシーは入社時の研修にしておき、IT機器やシステムを新規導入する際に、利用する部署単位で研修をするのがいいでしょう。

 

オンラインセミナーの形式で研修すれば、研修会場を確保する必要がないため、時間の制約を気にすることはありません。

資格を取得させる

従業員に資格を取得させると、ITリテラシーを高められます。

 

ITリテラシー向上におすすめの資格は、以下のとおりです。

 

・基本情報技術者試験

・ITパスポート

・情報セキュリティマネジメント試験

・MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格)

 

会社が受験費用を負担したり、資格を取得した従業員に手当を支給したりすると、従業員の資格取得を推進できます。

ITツールの活用

従業員のITリテラシーを高めるには、ITツールを活用できる環境を整備することが大切です。

 

ITリテラシーの知識を学ぶだけではなく、実際に仕事として活用することで、知識や技術が身に付きます。

まとめ

テレワークのようなニューノーマルな働き方が浸透し、サイバー攻撃による脅威が増加している昨今の状況を踏まえると、従業員のITリテラシーの底上げが必要な時代となりました。

 

従業員が、ITスキルに自信を持って業務を遂行できるように、企業には、従業員にITリテラシー教育や研修をすることが求められています。

 

ITリテラシーを少しでも向上させるために、ITツールを用いた業務環境に切り替えていくことも必要でしょう。

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