コラム

DX人材とは?DX成功に必要なスキルなどを解説

2023.04.13

デジタル技術によって、ビジネスモデルや業務プロセスを変革する取り組みであるDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。

 

DXが成功するかどうかは、人材によります。

 

DXの推進に必要とされるスキル、適性を備えた人材をDX人材と呼びます。

 

DX人材について正しく理解した上で、DX人材の育成や採用、DXの推進に取り組む必要があります。

 

今回は、DX人材に必要とされるスキル、マインドなどについて解説します。

DX人材とは?

DX人材について、定義はありませんが、DXに必要な人材として経済産業省のDXガイドラインでは以下のように述べています。

 

・DX 推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材
・各事業部門において、業務内容に精通しつつ、デジタルで何ができるかを理解 し、DX の取組をリードする人材、その実行を担っていく人材

 

つまり、テクノロジーやデータに関する広く深い知識を持つ人材だけでなく、事業側にもDXを理解しプロジェクトを統括できる人材が求められていることが分かります。

 

企業におけるDX推進は大きな課題であり、DXを推進しない企業は、デジタル競争の敗者となると言われていますので、企業におけるDX推進には、DXスキルを持つ人材が必要です。

 

素晴らしいデジタル技術があったとしても、その技術をうまく活用し、ビジネスモデル案を作る人材や全体の工程を管理できる人材がいなければ、DX推進で目的を達成できないので、DX推進にはDXスキルを持つ人材が必要です。

DX人材が担う職種とは?

では、DX人材が担う職種を見ていきましょう。

ビジネスプロデューサー

ビジネスプロデューサーは、DX化やデジタルビジネスの実現を先導するリーダー的な役割を担い、企業全体のDX化を統括します。

 

そのため、デジタル技術のトレンドだけでなく、自社を取り巻く経営環境から、自社が取るべき戦略を理解していなければいけません。

 

非常に責任が重く重要な役割ですので、CDO(最高デジタル責任者)などの経営層がその立場を担うこともあります。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、ビジネスプロデューサーの戦略に沿って、具体的な企画の立案とその推進の役割を担い、実際のビジネスモデルやビジネスプロセスを描きます。

 

ステークホルダーとの利害関係の調整や、プロジェクトを円滑に進めるためのファシリテーション能力、折衝能力などが必要とされます。

UXデザイナー

UXデザイナーは、DXやデジタルビジネスで使われるシステムやサービスのユーザー向けインターフェースをデザインする役割をします。

 

デザインとは、見た目の美しさだけではなく、使い心地といったユーザー体験を指します。

 

優れたユーザー体験は、顧客満足度に大きく影響して、利用率やリピート率の向上に繋がります。

データサイエンティストとAIエンジニア

データサイエンティストとAIエンジニアは、DXに関するデジタル技術(AI、IoTなど)やデータ分析に精通しています。

 

ビジネスモデルへのAIの活用や、ビッグデータを扱う役割をします。

 

統計解析や機械学習を扱う技術的なスキルや知識も必要ですが、事業部と共同して進めていくにはビジネスへの理解度も求められます。

アーキテクト

アーキテクトは、ビジネスにどのようにデジタル技術を導入して、DXを実現させるのかというシステムを設計する役割をします。

 

課題の分析、設計、開発サポート業務を担いますので、デジタル技術に精通しているこだけではなく、経営的視点も求められます。

先端技術エンジニア

先端技術エンジニアは、AI(人工知能)、機械学習、ディープラーニング、ブロックチェーンなどの最先端のデジタル技術を扱う役割をします。

エンジニアとプログラマ

エンジニアとプログラマとは、デジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材で、一般的なITエンジニアと同等のスキルが必要となります。

DX人材に求められるスキル・知識とは?

DX人材が役割を全うして活躍するには、どのようなスキル・知識が求められるのかについて見てみましょう。

プロジェクトマネジメントスキル

DXを導入すると、ビジネスモデルが変わるような全体的な変革が起きますので、大きなプロジェクトとなります。

 

よって、高いプロジェクトマネジメントスキルが問われます。

 

DXプロジェクト経験は必ずしも必要ではありませんが、プロジェクトマネジメント経験で培った戦略策定、問題分析・解決、コミュニケーションスキルなどが必要となります。

事業の企画力

企画力とは、DX全体の戦略に沿って、具体的な企画を立案するスキルです。

 

実現したいことを明確にした上で、何をしなければいけないかを決めて進めていく必要があります。

IT関連の基礎知識

IT関連の基礎知識は必須です。

 

ビジネスプロデューサーやデザイナーは、IT技術を使うことはありませんが、基礎知識と技術的な知識は必要です。

データサイエンスの知識

DXでは、データ分析の結果を元に、課題に対してどのような判断をするのかということが非常に重要です。

 

ビッグデータを活用したデータ分析の精度は進歩しており、ビジネスに与える重要度は高まっています。

 

うまく活用できている企業とそうでない企業では、競争力に大きな差が生まれています。

AIとブロックチェーンなどの最先進技術の知識

デジタル技術は常に進歩しており、新しい技術も出てきますので、DXで優位性を保つためには、最先端技術に合わせてビジネスを変革し続ける必要があるでしょう。

 

AI(人工知能)やブロックチェーンなどの最先端技術を積極的に取り入れて、新しいビジネスモデル、サービス、そして、製品に反映していきましょう。

DX人材育成に求められるポイントとは?

DX人材には幅広いスキルが求められるので、企業は、複数の職種において必要なスキルを持った人材が必要となります。

 

DX人材を育成するために必要なポイントについて解説します。

ITシステムと人材への投資が必要

ITシステムへの投資だけではなく、人材への投資も考慮して、予算配分を決める必要があります。

 

人材育成のための費用を将来に必要な投資と位置づけ、IT部門に必要な権限を付与することが求められるでしょう。

社内での従業員育成と外部リソース活用を明確化する

DX人材を自社だけで育成するのは、容易ではありません。

 

また、自社でDX推進部門を立ち上げた当初は、必要なスキルを身につけている従業員は非常に少ないでしょう。

 

不足している人材を外部に委託しながら、同時に社内の人材を育成していくというステップが妥当です。

 

社内育成と外部委託の範囲をどこで区切ればよいのかは、会社の規模や人材育成方針によって変わってきます。

 

中小企業では、専門のDX推進部門を設置したり、専任の担当者を置くのが難しいので、外部委託の余地が大きいと考えられます。

 

一方、大企業では、社内育成ができる範囲が中小企業よりも大きいです。

まとめ

DXの推進に取り組む企業が、現在、非常に増えていますが、成功の鍵を握るのは人材です。

 

DX人材について正しく理解した上で、DX人材の育成や採用、そして、DXの推進に取り組むことが重要です。

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