コラム

書類を電子化するメリットとは?効率的に進めるステップについて解説

2023.04.13

テレワークを導入する企業が急激に増え、それによって、近年は、紙の文書を電子化して管理するのが一般的となりました。

 

とはいっても、昔ながらの紙の文化がいまだに根強く残っており、電子化の導入に時間やコストがかかる、導入後の運用が難しいといった印象が先行しており、紙の文書の電子化に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、文書を電子化するメリットや手順について解説します。

文書の電子化とは?

文書の電子化とは、紙で管理していた文章をデータにして、ツールを使って管理することを意味します。

 

文書の電子化の目的は、情報を探すのに資料保管庫まで取りに行って探す手間がかかる、紙書類の紛失による情報漏洩のリスクがある、資料保管庫が必要となるといった、紙書類の管理によるデメリットを防ぐことにあります。

書類を電子化するメリットとは?

書類を電子化するメリットについて見てみましょう。

業務の効率化

紙の書類を使っている企業では、ファイルなどに書類を保管しているケースがほとんどです。
 
書類が必要になったときに、保管庫まで行って、書類を探さなければいけません。
 
ですが、紙の書類を電子化すれば、フォルダで書類を分類できるため、書類がどこにあるのかがすぐに分かります。

紙と印刷のコストを削減

紙の書類作成には、印刷用の紙やインクが必要となり、消耗品にかかる費用はオフィスの4大コストの1つとも言われており、利用頻度が高いゆえに削減しづらいのが現状です。

 

電子化した書類であれば、書類作成は、パソコンで完結しますので、保管に必要なソフトウェアを差し引いても、大きなコスト削減となるでしょう。

書類の紛失や劣化を防止

紙の書類を紛失してしまったという事態が発生することもめずらしくありません。

 

また、紙は時間が経つと黄ばみやしわができたり、破れてしまうこともあります。

 

電子化した書類は、経年劣化の心配はありませんし、データをクラウド上に保存しておくことで、災害などでデバイスが故障したとしても、別の媒体からデータを復元できます。

環境に優しい

書類の電子化は、紙に比べて環境にやさしいです。
 
紙を減らすことは、二酸化炭素の排出量の削減につながりますので、SDGsの活動へ貢献でき、環境問題に配慮をしている企業というプラスのイメージの定着にも役立ちます。
 
書類を電子化すると、業務効率化だけでなく、企業ブランドの向上という副次的効果も見込めると言えます。

電子化できる書類とは?

さまざまな書類が電子化できるようになりましたが、契約や法律により、紙媒体で残しておかなければならない書類もあります。

 

電子化ができない書類があることに注意しながら、電子化するメリットの大きい書類から電子化に着手するといいでしょう。

 

電子化した方がいい書類について見てみましょう。

契約書

契約書は、トラブルがあった場合に備えて、すぐに取り出せるようにしておかなかればいけません。

 

また、契約書は、定期的な更新が必要な場合もあるので、管理方法も考えなければいけませんが、契約書を電子化すれば、すぐに検索ができます。

請求書

請求書は発行数が多く、取引先への送付作業も頻繁に発生します。

 

請求書を電子化すると、パソコンで作成したデータを取引先に送信するだけで、業務が完結します。

 

郵送費や郵送に必要だった労力も削減できます。

提案書

取引先や社内で提案する企画をまとめた提案書は、企画書を作成する前に使われることが多い書類です。

 

修正される可能性が高く、関係者間でのやりとりも頻繁にされるので、印刷の手間を省くために電子化しておくほうがいいでしょう。

書類の電子化における注意点とは?

書類を電子化するときに注意すべき点は、1988年に施工された電子帳簿保存法、2005年に施工されたe-文書法を考慮することです。
 
電子帳簿保存法とe-文書法との違いを簡単にまとめると、以下のようになります。
 
 
・電子帳簿保存法は、財務省や国税局が管轄する法律に関わる文書で、申請・認可が必要です。
・e-文書法は、商法や税法で保管が義務づけられている文書で、承認の必要性はありません。

電子化システムの導入手順

電子化システムを導入する手順をについて解説します。

電子化する書類の決定

電子化システムを導入するにあたって、業務上の理由や取引先のとの規約などの理由で、電子文書化すべきでない書類がありますので、まず、電子化する書類を決定しなければいけません。

 

使われていない書類は、電子化する必要はなく、廃棄すべきものもあるでしょう。

 

そのような書類を最初に整理して、無駄な手間を省き、電子化された文書のデータ量を最適化しましょう。

管理体制の構築

ファイル名の決め方やタグの付け方などのルールを決めておくことで、情報を検索しやすい環境を整えましょう。

運用ルールの制定

電子化された書類は、適切な運用ルールに則って管理される必要があります。

 

文書データは定期的な更新が必要になることがあるため、最新のデータにアクセスできる環境を整えておくことが求められますので、データのメンテナンス方法を社内でルール化するといいでしょう。

セキュリティ

電子化された書類は、管理者や部署など権限によってアクセスできる範囲に制限をかけることが可能です。

 

このように情報公開範囲を最初に規定しておくことで、情報の内部リークといった機密情報の漏洩のリスクを最小限に抑えられます。

 

データへのアクセス権を絞ることは、情報セキュリティ対策にとって必要な措置です。

まとめ

電子化システムを導入することで、オフィスのスペースを有効に使えるようになったり、業務効率の改善にもつながります。

 

導入時は、コストがかかりますが、将来的な業務効率を考慮すると、メリットの方が大きくなるでしょう。

 

導入手順やメリットなどを参考に、電子化システムの運用を始めてみてはいかがでしょうか。

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