コラム

デジタルファーストとは? メリットやデメリット、導入時のポイントについて解説

2023.04.10

デジタルファーストとは、従来、印刷物として提供されてきた書籍・雑誌・新聞といった媒体を、最初から電子出版形式で提供することを指します。

 

実は、デジタルファーストには別の意味もあります。

 

それは、ビジネスにおいてデジタル化を優先し、各業務や活動に取り組むという概念です。

 

これに類似した概念として、クラウドファーストがあります。

 

クラウドファーストは、ITシステム導入に際して、クラウドサービスの利用を優先して考えることです。

 

デジタルファーストは、クラウドファーストを含んだ広範囲なデジタル化概念となります。

 

今回は、デジタルファーストのメリット・デメリットなどについて解説します。

デジタルファーストが注目されている背景とは?

デジタルファーストが注目されている背景として、デジタルファースト法(デジタル手続法)が挙げられます。

 

2019年にデジタルファースト法が制定・施行されました。

 

デジタルファースト法とは、行政のデジタル化に関する基本原則と行政手続きの原則オンライン化のために必要な事項等を定めた法律です。

 

デジタルファースト法の制定の目的は、デジタル技術を活用した行政手続きの利便性向上や行政運営の効率化です。

 

デジタルファースト法の制定によって、ビジネスシーンにおけるデジタルファーストも注目されるようになりました。

デジタルファーストのメリットとは?

デジタルファーストを推進すると、どのようなメリットがあるのかについて見てみましょう。

業務効率化

紙媒体をデジタル化することで、情報共有の効率化ができます。

 

資料を保管庫に取りに行っていた作業をデジタル化すれば、クラウドサービス上で必要な情報を検索するだけで、より効率的に仕事を進めやすくなります。

コスト削減

紙資料を作るとなると、紙代やプリンターのメンテナンス費用、保管庫の費用といった多くのコストがかかります。

 

デジタル化によって紙の使用が少なくなると、こういった費用が削減できます。

 

経費の申請などの手続きをデジタル化すると、書類の確認や承認も電子データで行うことができ、送付や郵送にかかるコストの削減もできます。

テレワークの促進

書類をデジタル化して、ペーパーレスで業務を進められると、テレワークが促進します。

 

紙書類でやり取りや押印が不要となれば、出勤しなくてもスピーディに仕事がしやすくなります。

 

また、Web会議や勤怠管理ツールなどを導入することで、テレワークの促進につながります。

 

多様な働き方の推奨から、テレワークを導入する企業が増えており、テレワークを実施しているということは、クライアントや求職者に重要視される項目になるでしょう。

デジタルファーストのデメリットとは?

デジタルファーストには、さまざまなメリットがありますが、対応策を検討するために、デメリットについて見てみましょう。

デジタルへの移行に手間と時間がかかる

紙を使ってしていた業務をデジタルへ移行するには、インターネット環境の整備などに、多くの時間を要します。

 

デジタルファーストを実現するまでに、一定の期間がかかる点を考慮した方がいいでしょう。

セキュリティー対策

インターネットを介して書類を取り扱う場合、情報セキュリティー対策に特に注意を払わなければいけません。

 

クラウドサービス上でファイルの管理をする場合は、パスワードやユーザー権限の管理を徹底し、情報漏えいやサイバー攻撃の脅威から重要なデータを守ることが必要となります。

 

悪意のある攻撃から自社の情報を守るために、セキュリティーソフトの導入も検討した方がいいでしょう。

従業員への研修

ツールやシステムを導入して業務をデジタル化するには、従業員がツールの使い方を理解してスムーズに運用できるように、従業員研修を実施することが必須です。

 

操作方法の習得だけでなく、安全性や利便性を考慮してデータの保存や管理を続けるために、社内ルールを従業員に周知する必要もあります。

デジタルファーストを推進させるためのポイントとは?

デジタルファーストを推進させるために、どんなことをすればいいのか、ポイントを見てみましょう。

デジタルファーストの必要性を認識

デジタルファーストを取り組む前に、社内情報を整理して、デジタル化のニーズを把握します。

 

これをすると、どの情報や業務を優先的にデジタル化させるべきかについて検討することができます。

 

社内の全業務を一斉にデジタルさせることは難しいため、 どの業務からデジタル化するのか、事前に検討する必要があります。

社内情報を統一する

デジタルファーストを推進するには、部署間で連携を強化することも大切でしょう。

 

部署ごとに異なるシステムを使うと、情報共有に時間がかかり、業務効率が低下してしまう恐れがあります。

 

情報は統一化させて、一元で管理する方向性で取り組むといいでしょう。

従業員にデジタルファーストについて周知する

デジタルファーストを推進には、従業員がデジタルファーストについて理解できるようにフォローを行うことが大切です。

 

研修やセミナーなどで、デジタルファーストを推進する目的を周知すると、従業員から協力してもらいやすくなります。

セキュリティー対策

デジタルファーストを推進するには、情報セキュリティー対策は不可欠です。

 

セキュリティシステムを導入して、社内体制を強化しながら、情報漏えいやサイバー攻撃といった脅威への理解を深めるために研修をするといいでしょう。

まとめ

今回は、デジタルファーストに必要なことについて解説しました。

 

官公庁や地方自治体も含めてデジタル化が進む中、企業がアナログなままでは最適化や効率化ができませんので、企業や組織として責任を持って、セキュリティに関する基盤を強化し、デジタル化に対応することが求められると言えるでしょう。

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