コラム

ノウハウ共有を適切にする方法

2023.03.25

ノウハウを社内でどのように共有すればいいか悩んでいるという声を聞きます。

 

働き方改革の推進により、社内の業務効率を向上させるためにも、ノウハウの共有は不可欠です。

 

従業員や企業が持つ独自の経験や知識、技術を蓄積し、組織全体で共有することが業務効率化に大きな役割を果たすからです。

 

今回は、ノウハウを共有するメリットと成功に導く方法やツールについて解説します。

ノウハウ共有とは?

ノウハウとは、ある専門的な知識や技術、情報などを指す言葉です。

 

ノウハウ共有とは、それらを複数の人々で共有することです。

 

企業においては、自社商品の営業術、取引先の連絡先、自社が独自に持つ技術といったノウハウを、会社または組織内で共有することを言います。

 

こうしたノウハウを一部の従業員だけが保有しており、他の従業員は知らないという状態はノウハウ共有ができていない属人化の状態になっています。

ノウハウが属人化の状態にあると、属人化の従業員が退社してしまったり、部署移動があった場合、そのノウハウが消失してしまいます。

 

ノウハウは、共有することで、組織の利益を大きくさせることができる大切な資産です。

ナレッジとの違い

ノウハウと似ている言葉として、ナレッジ(knowledge)があります。

 

ナレッジは「知識」や「情報」を意味する英単語であり、ビジネスシーンでは業務上有益な知識・情報という意味で使われることが多いです。

 

ノウハウとナレッジは、明確な違いがあり、区別できないと内容を正しく理解できません。

 

ナレッジは、学習して得られる知識であるのに対し、ノウハウは体験して得られるものです。

 

例えば、ナレッジは、本や日々の会話などから学習して取得可能ですが、ノウハウは、本などの情報を読むだけでは取得できません。

 

OJTのような実際の体験を通して、ようやく得られるものなのです。

 

ナレッジとノウハウのニュアンスの違いを理解しておけば、ビジネス上の会話で認識がずれる問題は起こらないでしょう。

ノウハウを共有するメリットとは?

ノウハウを共有することで、企業や組織にはいくつものメリットがあります。

それではノウハウを共有するにはどのようなメリットがあり、なぜ組織力の強化につながるのかについて、見ていきましょう。

業務効率や生産性の向上

分からないことがあって、調べる時間が長くなれば、効率や生産性が落ちてしまいます。

 

ですが、ノウハウが従業員間で共有されていれば、業務をスムーズに遂行できるようになります。

 

ノウハウが共有されていると、同じ質問が繰り返されるという時間の無駄が減るので、ノウハウを持つ従業員の作業効率が低下してしまうということを防げるのです。

 

全従業員がノウハウを持っていたり、調べられれば、ミスも起こりにくくなります。

従業員教育の効率化

ノウハウを持たない従業員を一人前にすることは、従業員教育コストにも関わる重要な課題です。

 

ノウハウ共有によって、業務内容や過去の経験則を新人にも素早く共有することができ、組織の生産性向上にもつながります。

ノウハウを昇華できる

ノウハウが、共有され蓄積されれば、他の従業員と分析したり体系化したりする機会ができ、ノウハウの品質を高めより有意義なものに昇華できます。

 

また、ノウハウは共有されることによって、他の従業員に活用される機会が出たり、他の従業員がノウハウを使ってみることで、新たな気づきがあって、ノウハウが昇華されることにつながることもあります。

 

このようにノウハウの質が高まることによって、新たなサービス・製品を開発するヒントとなることもあります。

会社の資産として残る

会社にとって、ノウハウを共有し、昇華させることは重要です。

 

従業員の移動や退職、新人の入社など、会社では、従業員の動きが常にあります。

 

そのような時もノウハウが共有されてさえいれば、ノウハウを適切に共有でき、ノウハウが会社の大切な資産として残ります。

ノウハウを共有してないデメリットとは?

ノウハウを共有することによって、さまざまなメリットがあることがわかりました。

 

では、ノウハウが共有されない場合、どのようなデメリット生じるのか見てみましょう。

業務効率が上がらない

従業員にノウハウが共有されていなければ、各従業員は自分の持つノウハウの中で業務の対応をしなければいけません。

 

そのため、わからないことに対して、考えたり、検索したりする時間が長くなり、業務効率が上がらなくなってしまいます。

 

また、ウハウが共有されないと、従業員間でノウハウが昇華される機会も失われてしまいます。

社内の連携力が低下

ノウハウが共有されていないと、ノウハウを持つ従業員が業務を行わないといけません。

 

また、ノウハウを共有していない従業員がトラブルになった場合、ノウハウを持つ従業員との関係が悪化する可能性があります

 

よって、従業員間の信頼がなくなり、仕事への連携ができなくなる恐れがあります。

ノウハウ共有を成功させるコツとは?

ノウハウ共有をすることは、知恵と体力を必要とします。

そこで、社内や組織内でノウハウ共有を成功させるコツをご紹介します。

従業員にノウハウ共有の目的を周知させる

ノウハウの共有をするためには、従業員にノウハウ共有の目的や重要性を周知する必要があります。

 

従業員が、ノウハウの共有の目的や重要性を理解していないと、積極的にノウハウの共有は行われません。

 

なぜノウハウを共有する必要があるのか、またそれをすることによって、企業や従業員にどんなメリットがあるのか周知徹底し、従業員に理解してもらう必要があります。

ノウハウ共有方法をマニュアル化する

従業員が、ノウハウ共有の方法が理解できないと、ノウハウ共有はうまくいきません。

 

従業員が、ソフトウェアへの入力を共有システムとする場合、使い方が分からなければ、ノウハウの蓄積も活用もされません。

 

ノウハウ共有や活用の手順は、マニュアル化しておきましょう。

ノウハウを出した人にインセンティブを出す

自分の知識や経験を何かに入力する手間を嫌がる従業員はいますので、ノウハウを出したら、インセンティブを与えるのもいいでしょう。

 

インセンティブは、金銭である必要はなく、ポイントでもいいでしょう。

 

提出するごとにポイントがたまり、ポイントが溜まると、会社の負担にならない程度に、何らかの恩恵を受けれるようにすると、従業員のモチベーションも上がるでしょう。

ノウハウ共有に関するルールを整備する

社内でノウハウ共有を適切にすすめるためには、ルールを整備した方がいいでしょう。

 

いつ、どこで、誰が、どのようにノウハウを共有するかといったルールを整備します。

 

また、ルールは、マニュアル化することによって、より高い効果が期待できます。

 

マニュアル化する場合、できるだけ具体的かつ詳細に内容をまとめておくことが重要です。

ノウハウ共有ツールの種類

ノウハウ共有ツールを選ぶときは、入力や検索がしやすいか、セキュリティ対策がされているかなどを比較して、いくつかの種類から自社にあったものを考える必要があります。

 

ノウハウ共有に利用できるツールにはどのような種類があるのか見ていきましょう。

 

・社内WIKI

インターネット百科事典で知られるWikipediaのように、各従業員が情報を書き込めるのが、社内wikiです。

インターネット上で辞典を作る感覚で情報を蓄積できるので、使い方を理解しやすいです。

誰でも最新の情報に更新することができ、情報の検索もしやすいので、導入がしやすいツールといえます。

 

・オンラインストレージ

オンライン上にデータの保存場所を作り、どこからでも閲覧ができるストレージをオンラインストレージといいます。

PCやスマートフォンなどのマルチデバイスに対応しているものや、容量が大きいデータを管理することができるものもあります。

 

・文書管理システム

文書管理システムは、電子文書の保存から廃棄まで管理できるシステムです。

従業員がPCに保管しているファイルを文書管理システム上に保存することで、他の従業員がファイルを見られるようになり、ノウハウ共有にも役立ちます。

ファイルの持ち出し制限機能や閲覧履歴の記録もでき、セキュリティ対策もされています。

まとめ

ノウハウ共有は、会社全体の業務の質や生産性の向上、顧客満足度を高めていくためにも必要な手段です。

 

ノウハウ共有を成功させるためには、その目的や重要性を従業員に周知した上で、スムーズにノウハウを共有するための環境作りが必要です。

 

ノウハウ共有を継続していくことは難しいため、自社にあったノウハウ共有ツールを導入することを検討してみてもいいでしょう。

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