コラム

「話し言葉」と「書き言葉」の違いとは?使い分けの例をご紹介

2025.12.05

ビジネスシーンでは、「話し言葉」と「書き言葉」を適切に使いわける必要があります。

 

ですが、「話し言葉」と「書き言葉」の違いや正しい使い分けがよくわからないという方もいることでしょう。

 

今回は、「話し言葉」と「書き言葉」の違いや、間違えやすい表現などをご紹介します。

「話し言葉」と「書き言葉」とは

私たちが使っている言葉には、会話をする時の言葉である「話し言葉(口語)」と、文章で使う言葉「書き言葉(文語)」があります。

 

話し言葉は、相手との距離を縮めたい時や、カジュアルな場面では非常に効果的です。

 

ですが、主語が省略されることがあり、誤解を招きやすいため、ビジネスや公的な文書では注意したほうがいいでしょう。

 

一方、書き言葉は、文法の規則に従って書かれ、誰が書いても似たような文章になりやすいため、読み手に誤解を与えにくいです。

 

ですが、簡潔な言葉になることが多く、固い印象を相手に与えるという特徴があります。

シーン別の使い分け方法

「話し言葉」と「書き言葉」は、どのような時に使われているのか、使い分けのポイントを見ていきましょう。

 
「話し言葉」は、普段の会話のように比較的フランクな場面で使います。
 
例)小説・エッセイ・SNS・ブログ・講義・スピーチ・メール・キャッチコピー
 
「書き言葉」は、公的な文書を書く時に使います。
 
例)ビジネス文書・ビジネスメール・契約書・学会発表・論文・公式発表・祝辞・マニュアル

「話し言葉」と「書き言葉」の例

「話し言葉」と「書き言葉」の例を挙げてみましょう。

 

話し言葉 書き言葉
です・ます だ・である
あっち あちら
ちゃんと きちんと
でも・だけど だが・しかし
やっぱり やはり
とっても・すごく 非常に
~じゃない ~ではない

「話し言葉」「書き言葉」で注意すべきポイント

「話し言葉」と「書き言葉」で注意すべきポイントをご紹介します。

「ら」抜き言葉

「ら」抜き言葉とは、可能の意味を表す「られる」から「ら」を抜いた表現のことです。

 

昨今、話し言葉として、よく使われていますが、書き言葉では注意が必要です。

 

良い例 悪い例
見られる 見れる
食べられる 食べれる
開けられる 開けれる

「さ」入れ言葉

「さ」入れ言葉とは、本来入れない箇所に「さ」を入れる言葉です。

 

良い例 悪い例
書かせていただきます 書かさせていただきます
遊ばせてもらいます 遊ばさせてもらいます
手伝わせてください 手伝わさせてください
休ませていただきます 休まさせていただきます

 

悪い例は、丁寧に見えますが、文法的には誤りです。

「い」抜き言葉

「い」抜き言葉とは、本来入れるべき「い」を省いた言葉です。

 

良い例 悪い例
話しています 話してます
やっていない やってない
休んでいます 休んでます
入っていない 入ってない

 

「い」抜き言葉を使う方は多いですが、文法的には誤りのため、公的な使用を避けましょう。

曖昧な表現

曖昧な表現とは、「私的には〇〇と思います」のように、単語の意味を曖昧に伝える表現のことです。

 

「書き言葉」を使う場面では、正確で簡潔な答えが求められるため、不適切な表現です。

 

例えば、「私的には」「弊社的には」のように、曖昧に表現したい時に使う「~的」が挙げられます。

 

「私としては」「弊社としては」に置き換えましょう。

文頭の「なので」

「なので」は、文章の前後をつなげる接続詞ですので、文頭で使うことができません。

 

良い例 悪い例
私は英語が得意なので、英語の勉強をしたい 私は英語が得意です。なので、英語の勉強がしたい

 

二重表現

二重表現は、同じ意味を重ねて表現するため、不適切です。

 

話を強調するために、会話で使われることがありますが、書き言葉では簡潔に表現しましょう。

 

良い例 悪い例
最初に 一番最初に
絶対に 必ず絶対に
各位 ~様各位

若者言葉

「まじ」や「超」などの、若者言葉は、親しい人同士のカジュアルな会話で使用されます。

 

そのため、ビジネスシーンで使うことは控えましょう。

 

良い例 悪い例
本当に まじで
非常に
非常に めちゃめちゃ

消極的表現タイプ

「~みたいな」「~たり」などの消極的な表現は、物事を曖昧にさせるために、よく使われますが、「書き言葉」では不適当な表現になるため注意しましょう。

 

良い例 悪い例
お客様よりこのような要望があったので お客様よりこのような要望があったりしたので

 

不要な文言

不要な文言を文章に入れてしまうと、文章がわかりづらくなってしまいます。

 

例)「いく・くる」

 

良い例 悪い例
最後に砂糖を振りかけます 最後に塩を振りかけていきます

 

例)「~になります」

 

良い例 悪い例
最後に砂糖を振りかけます 最後に砂糖を振りかけていきます

 

例)「~の方」

 

良い例 悪い例
契約書の確認をお願いします 契約書の確認の方をお願いします

 

 

まとめ

「話し言葉」は会話で使われ、「書き言葉」は文章に使うことが基本ですが、絶対ではありません。

 

つまり、文書で「話し言葉」を使ったり、会話で「書き言葉」を使うこともあるのです。

 

ですが、目的によって、「話し言葉」と「書き言葉」を使い分ける必要があるため、両方の特徴や違いを理解して、適切な文章を作成しましょう。

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