コラム

相対評価と絶対評価の違いとは?メリットやデメリットを解説

2025.10.26

企業が従業員の能力を評価する時には、相対評価と絶対評価の2つの評価方法が採用されています。

 

人事評価の方法次第で、従業員のモチベーションや社風が代わるため、評価方法は重要です。

 

今回は、相対評価と絶対評価の違いや、メリット・デメリットについて解説します。

相対評価とは

相対評価とは、企業や学校などの集団で、個人の能力や成績を他者と比較して評価することです。

 

例えば、学校で生徒の成績をA・B・Cの3つに分けることが挙げられます。

 

相対評価を使う場合、それぞれのランクの人数を事前に決めます。

 

そして、生徒を成績順に並べて、上から順番にランクを割り振ります。

 

Aランクは5人、Bランクは10人といったように決まっているので、生徒が特定のランクに偏りません。

 

つまり、相対評価は、バランスのいい評価分布になる特徴があります。

絶対評価とは

絶対評価とは、定められた目標の基準で、個人のレベルを評価する方法のことです。

 

所属する集団のレベルに関係なく、個人が目標の基準を満たしているかで評価します。

 

評価基準が明確に確立している時に適用されるため、個人の能力による処遇の実現や、評価結果による能力の開発や自己啓発への動機付けに役立ちます。

 

例えば、目標達成率が100%以上でAランク、80〜99%でBランク、60%〜79%でCランクといったような評価をします。

相対評価と絶対評価の違い

相対評価と絶対評価は、「集団内で総体的に評価する」か「個人レベルで評価する」かという違いがあります。

 

相対評価では、例えば、Aさんが80点、Bさんが100点、Cさんが60点という結果だった場合、Bさんが1位、Aさんが2位、Cさんが3位という順位になります。

 

つまり、他の人のスコアが低いと自分の順位が上がり、高いと自分の順位が低くなります。

 

一方、絶対評価は、決められた基準を満たしているかで評価が決まります。

 

評価基準が100の場合、成績が100を越えたら評価されますが、基準以下なら評価されません。

 

他の人の成績は、自分の評価に影響しないため、頑張っただけ評価されます。

相対評価のメリット

では、相対評価のメリットを挙げてみましょう。

社内競争を活性化する

相対評価は、順位が明確になるので、社内競争が促進されます。

 

上位者は、地位を守ろうとする一方、下位者は、上位者に追いつこうと努力するようになります。

 

そのため、管理者の教育コストを削減することも可能になります。

人件費を管理できる

それぞれの評価ランクの人数割合が決まっているため、人件費を予測でき、その管理が楽になります。

 

絶対評価と違って、予想外の好成績による人件費の増加のリスクが発生しにくくなるでしょう。

評価プロセスを効率化できる

成果に基づいて順位付けをするため、評価者の主観に左右されにくくなります。

 

そのため、評価プロセスがシンプルになり、昇給や昇進を決定しやすくなります。 

順位付けが必要な時に役立つ

相対評価は、他者との比較による評価方法のため、優秀な従業員を選んだり、明確な順位付けが必要な時に有効です。

 

また、評価の客観性が高く、評価者による差異が少ないです。

相対評価のデメリット

今度は、相対評価のデメリットを挙げてみましょう。

成績下位者が固定化する

相対評価は、成績下位者が固定化してしまうデメリットがあります。

 

低評価を与えられると、人は仕事に対してのモチベーションが下がる傾向にあります。

所属する集団によって評価が変わる

相対評価の基準は、集団のレベルになるため、所属する集団によって評価の高低や上位評価の難易度が変わってしまいます。

 

例えば、優秀な従業員の多いAグループでは低い評価を受けても、自分より優秀な従業員が少ないBグループでは高い評価を受けることが起こるのです。

 

したがって、Bグループにいれば、努力しなくても、高い評価を受け続けられるので、Aグループに異動して優秀な従業員から学んで自分を高めようという自己成長への意欲は発生しにくくなります。

個人の成長や取り組みへの評価には不向きである

相対評価は、集団内の他者と比較した評価ですので、個人の成長や取り組みに対して評価をしません。

 

したがって、スキルや経験値が高く実績を生み出せる従業員が高評価を受け、経験の浅い若い従業員は低評価になることがあります。

 

取り組みに対して評価できないため、人材育成には有用でないと言えます。

評価の理由を明確にしづらい

相対評価では、評価が明確な基準に基づいているとは断言できないため、合理性を欠く評価になることがあります。

 

同じくらいの能力を持っている従業員を順位付けするため、納得感に欠け、従業員が不満に思うことも出てくるでしょう。

足を引っ張り合う

相対評価では、成績上位者がいなければ、自分が上位になるという考えが生まれやすくなります。

 

そうなると、努力を怠り、他人の足を引っ張って、上位に行こうとする人も出てくるでしょう。

 

自分の利益を最優先する従業員がいると、チームに悪影響を及ぼしてしまいます。

絶対評価のメリット

ここでは、絶対評価のメリットを見ていきましょう。

従業員の成長を促進できる

絶対評価は、個人の成績で評価されるため、自分の頑張りが正当に評価してもらえると、仕事へのモチベーションが上がります。

 

働く意欲があると、その従業員が成長するだけでなく、自発的に仕事ができるようになると、企業にとってもメリットがあると言えます。

従業員が納得できる

従業員の納得感を得やすいメリットもあります。

 

絶対評価は、頑張った分だけ高い評価を得られるからです。

 

評価の理由まで十分に説明すれば、従業員は、より納得することができるでしょう。

絶対評価のデメリット

次に、絶対評価のデメリットを見ていきましょう。

評価が無難になってしまう

絶対評価では、中間くらいの無難な評価に偏ってしまいます。

 

絶対評価は、一定の努力をすれば到達できる難易度を標準ランクとして設定するからです。

 

また、数値で表せない評価する場合、いっそう無難な評価になりがちです。

 

例えば、仕事への積極性を評価する場合、評価者は「1.とてもよかった・・・5.とても悪かった」といった選択式で評価します。

 

このケースでは、評価者は、他の評価者や被評価者からの自分に対する印象を意識して、「3.どちらともいえない」の無難な評価をしてしまいます。

 

4段階や6段階評価にすれば、中間にあたる評価がないので、若干の改善が見込めるでしょう。

評価基準を設定しづらい

評価基準を設定しにくいデメリットもあります。

 

絶対評価は、達成難易度を予測して、妥当な評価基準を定める必要があるからです。

 

評価基準が低すぎると、従業員は簡単に達成してしまい、大きな成果を逃すことになってしまいます。

 

逆に、評価基準が高すぎると、従業員のモチベーションは低下し、達成を諦めてしまうこともあるでしょう。

競争意識が生まれにくい

競争意識が生まれにくいこともデメリットの一つです。

 

絶対評価では、あらかじめ定められた基準をクリアすれば評価されるため、最高評価を達成すると、それ以上を目指すモチベーションが得られにくくなります。

 

競争意識を高めるためには、成果によって、インセンティブや表彰を設けるといいでしょう。

まとめ

従来、日本では相対評価が取り入れられていましたが、近年、絶対評価に変わってきています。

 

相対評価と絶対評価には、メリットとデメリットがありますので、それぞれの特徴を理解して、業務に取り入れてみてください。

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