コラム

ティール組織とは?ティール組織の構成要素やメリットについて解説

2025.10.18

2014年に、ティール組織という書籍が発売されて以降、ティール組織は、従来の日本にはなかった新しいマネジメント手法として注目されています。

 

ティール組織は、組織マネジメントの常識を覆す手法のため、よく理解できていないという方もいるでしょう。

 

今回は、ティール組織の構成要素やメリットについて解説します。

ティール組織とは

ティール組織とは、2014年に、フレデリック・ラルー氏が出版した『Reinventing Organizations(日本語版のタイトル「ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」)』で唱えた新しいマネジメント手法です。

 

ティール組織とは、社長や上司が監督をしなくても、組織の目的の実現に向けて、従業員が主体的に動き、推進できている組織のことです。

 

従来、企業では、管理職が部下を統制していましたが、ティール組織では、管理職による管理手法を否定しています。

 

フレデリック・ラルー氏は、「これまで正解と思われてきた管理手法は問題である可能性がある」と指摘し、目的を実現するために、全従業員が自発的に協働する1つの生命体として、ティール組織を提唱しました。

ティール組織とホラクラシー組織との違い

ティール組織とホラクラシー組織は、階層的な管理者を置かず、自律的な運営を目指す点は共通していますが、性質が異なります。

 

ホラクラシー組織では、ホラクラシー憲法と呼ばれる詳細なルールに基づいて、仕事を役割と定義し、それらが集まって、チームを形成します。

 

意思決定は、役職ではなく役割に紐づいており、「ガバナンスミーティング」といった特定の会議体を通して行われます。

 

ティール組織は、より包括的な思想を示すため、ホラクラシー組織は思想を実現するための具体的な手法の一つと言えます。

 

ですが、すべてのティール組織がホラクラシーを採用しているわけではありません。

ティール組織の定義

フレデリック・ラルー氏は、ティール組織に到達するまでの組織モデルを5色に分けて表現しています。

 

では、それぞれの概要と定義を見ていきましょう。

レッド(衝動型)

レッド組織は、圧倒的な力を持つ従業員によって、従業員が統率されている集団のことです。

 

原始的な組織モデルのため、オオカミの群れと比喩されることがあります。

 

レッド組織は、一人の従業員の能力で維持されるため、トップが交代すると、組織の規模やルールががらっと変わってしまうことがあり、もろく崩れやすい組織です。

アンバー(順応型)

アンバー組織は、トップダウンで、メンバーの役割が明確に定められています。

 

行政機関や警察などで見られる組織モデルで、軍隊と比喩されています。

 

アンバー組織には、階級に基づいたヒエラルキーがあり、従業員は、自分の役割に従って行動する必要があります。

 

明確なルールを設定するため、安定した組織運営を行えますが、状況が変化した時に柔軟な対応を取りづらいデメリットがあります。

オレンジ(達成型)

オレンジ組織は、階級に基づいたヒエラルキーがありますが、成果に応じて評価や昇進を図れます。

 

国内企業によく見られる組織モデルで、機械と比喩されます。

 

組織内での競争やイノベーションが生じやすい環境を形成する工夫がされています。

 

実力主義のため、組織内や競合他社との競争で、心身に負担がかかることがあります。

 

その結果、機械のように働く状態に陥って、人間らしさが損なわれるリスクがあります。

グリーン(多元型)

グリーン組織は、従業員の価値観を重視して、意思決定をする組織で、家族と比喩されています。

 

階級によるヒエラルキーは存在しますが、組織で意思決定をする時は、現場で働くメンバーから意見を聞くボトムアップ型で実施されます。

 

経営陣が、従業員の主体性を尊重しながら、実力を発揮しやすい環境を整えます。

 

ですが、複数の部署やチームを設けて権限を分散させた場合、組織内で意見をまとめるのに時間がかかってしまいます。

ティール(進化型)

ティール組織は、組織の目標を達成するために、従業員が必要な意思決定をすることで運営される組織モデルのことです。

 

生命体と比喩されています。

 

従業員が、組織の目標やルールを理解して、自主的に行動することによって、組織が運営されます。

 

権限を集約したリーダーのような従業員は存在しないので、全従業員が対等な状況で行動できます。

ティール組織に必要な要素

ティール組織を実現するための要素を挙げてみましょう。

セルフマネジメント(自主経営)

セルフマネジメントとは、上司の指示や管理のもとで行動しないで、従業員それぞれが自分で業務判断をして行動することです。

 

したがって、従業員全員に、リーダーシップを持ってコントロールすることが求められます。

 

ですが、管理職が担っていた意思決定を各従業員が適切に行えることは、現実的ではないでしょう。

 

そのような場合は、専門家や関係者などからアドバイスをもらえる、助言プロセスと呼ばれる仕組みを活用するのです。

 

助言プロセスを仕組み化して、従業員の力量や認識の差を減らし、適切にセルフマネジメントできるようにトレーニングすることが重要です。

ホールネス(全体性)

ホールネスとは、従業員が本心を隠さずに、安心して働ける環境のことです。

 

恐れや不安を感じないため、自由にアイデアを出せます。

 

ホールネスが実現された組織では、全従業員が活発に意見を言うことができるので、積極的に行動するようになります。

 

そのため、新たな才能を発見したり、新規事業へのチャレンジ精神が生まれ、組織全体が活性化します。

 

一般的に、従業員は、管理職から評価される立場にあるため、周囲から期待される役割を演じてしまうと、ホールネスを実現することはできません。

 

したがって、組織全体に異なる意見を尊重し合える風土を築き上げる必要があります。

エボリューショナリーパーパス(進化する目的)

ティール組織では、従業員は、自らの意思で進化することを求められます。

 

というのも、未来は複雑で不明確に変化するため、予測やコントロールができないと考えられているからです。

 

変化の激しいビジネス環境では、状況によって、軌道修正をする柔軟性を持ったティール組織の重要性がますます高まっていくでしょう。

ティール組織とオレンジ組織の違い

ティール組織とオレンジ組織の違いは、権力構造による従業員の競争があるかどうかです。

 

オレンジ組織には、権力構造が存在するため、上下関係となる役職があります。

 

成果や仕事への姿勢によって昇進が決まるため、従業員間で競争が起きやすいです。

 

一方、ティール組織は、組織の目的を達成するために、従業員が意思決定権をもつ組織で、権力構造や競争はありません。

ティール組織のメリット

ティール組織のメリットをご紹介します。

従業員の自発性を高められる

従業員の自発性を最大限に引き出せるメリットがあります。

 

従来、従業員は、管理職の指示によって行動しましたが、ティール組織では、従業員が自ら意思決定をし、業務に対する責任をもつため、モチベーションが上がります。

 

また、自由に自分の意見が言えるため、主体的に行動することにつながります。

生産性が向上する

ティール組織では、従業員の自主性が尊重されて、仕事へのエンゲージメントが高まるため、従業員のパフォーマンスが向上します。

 

また、現場にいる従業員が意思決定をするため、迅速に顧客のニーズや市場の変化に対応できます。

 

従来の組織によくある、多層的な承認プロセスや形式的な会議が減少するため、業務効率が向上します。

臨機応変に対応できる

めまぐるしく変化するビジネス環境の中で、ティール組織は、臨機応変な対応ができます。

 

意思決定は管理職ではなく、現場の従業員に分散されているので、外部環境の変化に気づいた時に、迅速に対応できます。

 

また、生命体のように進化し続けるという考え方が根底にあるため、新しい状況に適応していく文化を育むことができます。

まとめ

ティール組織では、従業員が主体的に意思決定をするため、変化の激しいビジネス環境にも対応できます。

 

ティール組織は、これからの時代に必要な新しい組織形態ですので、ティール組織を深く理解し、自社への導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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