正しい部下の叱り方とは？叱り方や意識すべきポイントを解説
2025.07.07
「上司が部下に配慮しすぎて、部下の指導ができない」という課題を聞いたことはありませんか？
部下を成長させるために、叱ることは必要です。
ですが、誤った叱り方をすると、部下のモチベーションが下がったり、信頼関係が築けなくなったりすることがあります。
今回は、部下の成長を促しながら、良好な関係を築くための、部下の𠮟り方や意識すべきポイントなどを解説します。
部下を「指導すること」と「怒ること」の違い
部下を「叱ること」と「怒ること」は、どのような違いがあるのでしょうか。
まず、部下を「指導すること」とは、目標に向かって部下を導くことです。
例えば、上司は、売り上げ目標を達成するといった目標に対して、部下を指導します。
一方、部下の不適切な言動や行動に対し注意することが、部下を「叱ること」です。
例えば、契約書を期限までに提出しないことに対して、叱ることです。
つまり、「指導すること」は、目標達成のために教え導くことが目的ですが、「叱ること」は部下の言動の改善を目的としています。
部下を叱る時に意識すべきポイント
部下の成長を促すために、部下を叱る時に意識すべきポイントを挙げてみましょう。
叱る場所やタイミングを考える
叱る場所やタイミングを考えましょう。
問題を改善し、成長を促すことが、部下を叱る目的です。
そのため、部下のプライドを傷つけず、上司の話に耳を傾けてもらえるように、叱る場所やタイミングを意識することが重要です。
問題が起きている時に叱ったほうが効果があるため、「今、時間ある？」と声がけすることも大切です。
まず最初に、部下に期待していることを伝える
部下を叱る時に、まず最初に、部下に期待していることを伝えることは、上司と部下の信頼関係を構築するのに重要です。
部下は、上司が自分に期待してくれていることが理解できると、叱られた後に、萎縮したり、主体性が損なわれることはないでしょう。
叱る理由や望ましい行動を言う
部下に叱る理由をはっきり言うと、部下は納得できるでしょう。
また、そうすることによって、上司の認識が間違っていた時でも、部下が実際の状況について説明することができます。
感情的にならない
叱ることとは、部下に指摘したり、フィードバックをすることによって、部下に改善や成長を促すことです。
つまり、上司が感情的になってしまうと、叱るのではなく、怒ることになってしまいます。
上司に怒られると、部下は、驚きや恐れて、上司の話に集中できなくなるでしょう。
そうなると、問題点が改善できないだけでなく、部下が上司に苦手意識を感じて、信頼関係が壊れてしまうことになりかねません。
やってはいけない叱り方
では、やってはいけない叱り方を挙げてみましょう。
感情を出さない
叱る時に、声が大きくなったり、乱暴な口調になることがあります。
上司が感情をあらわにしてしまうと、部下を委縮させてしまうため、注意したほうがいいでしょう。
他の従業員と比較する
「Aさんは間違えないでできるのに、あなたは何度でも間違える」といったように、他の従業員と比較するのは止めましょう。
他の従業員と比較しても、部下に気持ちが伝わらないだけでなく、恥をかかされたと思って、部下は叱られた内容を受け入れないでしょう。
明確な改善を伝えない
「もっと注意して」「レベルが低い」のような抽象的な言葉で伝えると、部下はどうしたらいいのかわからなくなります。
そのため、どこをどのように改善してほしいのかを明確に伝えましょう。
否定ばかりしない
部下を叱るといっても、部下のよくない点だけを挙げて叱ると、部下は、自分のことをダメ人間と考えてしまいます。
そのため、部下の長所も伝えて、フォローすることが大切です。
また、過去のよくなかったことを遡って叱ることも止めて、現在問題となっていることだけを叱るようにしましょう。
上司の価値観や意見を押しつけない
上司の価値観や意見を押しつけるのも止めましょう。
そうしてしまうと、信頼関係が大きく崩れてしまうからです。
上司が現場で起こったことをすべて正しく把握しているわけではないですし、部下にも言い分はあります。
ですから、「過去、自分はこうした」といった価値観を押しつけないことが大切です。
上司が部下に自分の話をする場合、自分の失敗体験を話すと、部下は話をよく聞いてくれます。
部下の特徴に合わせた叱り方
ここでは、部下の特徴に合わせた叱り方をご紹介します。
好きなことをするとモチベーションが上がる部下
自分の好きなことをするとモチベーションが上がる部下には、本人のやる気がある仕事を任せるといいでしょう。
自分が好きな仕事ができると、大きな成果を生み出すことにつながるからです。
また、好きな仕事ではなくても、興味のある仕事を任せると、その仕事が好きになったり得意分野になることもあります。
目標があるとやる気がでる部下
目標があるとやる気がでる部下には、達成することが少し難しい目標を設定するといいでしょう。
難しい目標を達成しようというやる気が出るので、部下の成長につながります。
目標を達成できたかどうかの結果だけではなく、目標への取り組み方やプロセスも評価することが大切です。
ライバル意識が強い部下
ライバル意識が強い部下には、ライバルとなる従業員を近くの席にして、意識させるといいでしょう。
ライバルを意識すると、ライバルより活躍したいという気持ちが出て、成果につながる可能性があるからです。
また、ライバルに勝つ体験をすると、今後のモチベーションも高まるでしょう。
相手に合わせた叱り方
部下といっても、年上の部下や男性の部下など、さまざまな部下がいます。
ここでは、相手に合わせた叱り方を見ていきましょう。
年長者や先輩への叱り方
年長者や先輩に対して感情的に注意しづらいことがありますが、叱る時には、上司の意見を明確に伝えなければいけません。
ですが、自分のほうが立場が上という理由で、部下を見下すような叱り方をするのではなく、人として敬意ある対応を心がける必要があります。
新人への叱り方
新人を叱る時には、叱り方に注意しましょう。
新人の性格をよく知らないのに、新人の言動を非難すると、新人は、上司が一方的に叱っていると感じてしまいます。
そうなると、部下の上司への印象が悪くなり、良好な信頼関係を築けなくなってしまいます。
新人を非難するのではなく、どうして注意しているのかを具体的に伝えることを意識するといいでしょう。
まとめ
部下を叱っても、部下が「あなたに言われたくない」と思っていたら、部下は言動を改善することはありません。
そのため、上司は、間違った叱り方をしていないかをチェックし、叱る時のポイントを把握して、叱ることによって部下の成長を促すようにしましょう。
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