ビジネスのフレームワークとは?役立つフレームワークの種類などを解説
2025.06.30
フレームワークは、枠組みや構造を意味しますが、ビジネスでは、問題を解決する方法や思考法として使われます。
思考の枠組みをうまく活用できると、売り上げアップや事業改善につながるアイデアを生み出すことができます。
今回は、フレームワークの意味やメリット、役立つフレームワークの種類などを解説します。
フレームワークとは
フレームワークとは、「枠組み」や「構造」を意味します。
ビジネスにおけるフレームワークとは、ビジネスシーンでの思考法や問題解決の方法のことです。
どの従業員も同じスピードで課題を解決できるわけではありません。
そのため、フレームワークを使えば、あらかじめ作られた枠組みに課題をあてはめて整理して、迅速に最善策を見い出すことが可能になります。
フレームワークをビジネスで活用するメリット
では、フレームワークをビジネスで活用するメリットを挙げてみましょう。
論理的な思考ができる
フレームワークを使うと、論理的な思考ができます。
論理的な思考とは、前提となっているルールから、物事を正しく推論する思考のことです。
あらかじめ設計された枠組みに、課題を落とし込むことによって、客観的に分析したり思考できます。
作業時間を削減できる
フレームワークを活用すると、「何をすればいいかわからない」と悩むことがなくなります。
また、市場分析や業務改善といった仮説を立てる目的が同じである場合、1つのフレームワークを覚えておけば、戦略立案のスピードが上がり、作業時間を削減できます。
アイデアが出しやすくなる
思考を発展させるフレームワークを活用すると、さまざまな考えを書き出して可視化できるため、アイデアを出しやすくなります。
基本的なビジネスフレームワーク
まずは、基本的なビジネスフレームワークを見ていきましょう。
5W1H
5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字を取った言葉です。
情報を効率的に整理していくのに役立ちます。
例えば、取引先に報告しなければいけない時に、5W1Hに沿って情報を整理すると、情報を伝えやすくなり、相手も理解しやすくなります。
PDCA
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取った言葉です。
4つの作業をこの順番で何度も繰り返すと、成果物を改善することができます。
ビジネス環境は常に変化しているため、PDCAを活用して目標と実績を比較し、改善していくと、市場の変化にあった仕事ができます。
MECE
MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った言葉です。
MECEを適切に活用してタスクを確認すると、漏れと重複を防ぐことができます。
MECEを活用して、「30代女性」や「40代男性」といったように、年齢や性別で対象のデータを分けることによって、正確な結果を得やすくなります。
マインドマップ
マインドマップは、アイデアを洗い出す時に利用されます。
ベースとなる言葉から枝分かれさせる形で思いついたワードを記載するといいでしょう。
2軸図
2軸図とは、問題を可視化するためのビジネスフレームワークです。
本質を見極めるために、2つの観点から物事を可視化して、全体を把握しやすくします。
経営戦略を立てるときに役立つフレームワーク
経営戦略を立てる時に役立つフレームワークをご紹介します。
PEST分析
PEST分析とは、自社を取り巻く環境分析に役立つフレームワークのことです。
「PEST」は、以下の頭文字から取った言葉です。
Politics(政治)・・・ 政治動向、法律、税制
Economy(経済)・・・経済水準、為替、金利
Society(社会)・・・世論、流行
Technology(技術)・・・特許、イノベーション、インフラ
PEST分析をすると、自社ではコントロールできない外部環境を分析できるため、経営戦略立案のための基礎情報として役に立ちます。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析とは、自社の脅威となる5つの要素を分析するためのフレームワークのことです。
ファイブフォースで分析する脅威となる5つの要素は、以下の通りです。
・業界への新規参入
・業界内での競争
・代替品の存在
・買い手の交渉力
・売り手の交渉力
ファイブフォースによって、業界と競合他社の状況を網羅的に分析することで、自社の優位性と収益の確保に必要な要素を判断できます。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社を取り巻く外部・内部環境でのプラス面とマイナス面を4つの視点から分析するフレームワークです。
SWOT分析は、経営戦略立案における現状分析をする際に有効です。
SWOTは、以下の頭文字です。
S(Strength/強み):自社や自社製品に好影響を与える内部環境の要素
W(Weakness/弱み):自社や自社製品に悪影響を与える内部環境の要素
O(Opportunity/機会):自社や自社製品に好影響を与える外部環境の要素
T(Threat/脅威):自社や自社製品に悪影響を与える外部環境の要素
市場分析やマーケティングに役立つフレームワーク
市場分析やマーケティングに役立つフレームワークをご紹介します。
AISAS
AISASとは、消費者が商品・サービスを認知してから購入に至るまでの行動モデルのことです。
インターネットで消費者が買い物をした時の行動モデルをリアルに反映するため、ウェブマーケティングで役に立ちます。
AISASは、消費者の行動パターンを表す英単語の頭文字です。
Attention(注目・認知)・・・ 潜在顧客が商品やサービスを認知する
Interest(興味・関心)・・・ 商品やサービスに興味を持つ
Search(検索)・・・ インターネットで商品やサービスについて調べる
Action(購買) ・・・商品やサービスを購入する
Share(共有) ・・・SNSなどで商品レビューをシェアする
4C分析
4C分析とは、顧客視点を基準としたマーケティングの分析方法のことです。
4C分析におけるの要素は、以下の通りです。
CustomerValue(顧客価値) ・・・顧客が商品に対して抱く価値
Cost(顧客コスト) ・・・商品購入時に必要な費用
Convenience(利便性) ・・・商品購入時の便利さ
Communication(コミュニケーション)・・・SNS発信やイベントなどの顧客との接点
4Cでマーケティング戦略立案に顧客視点を取り入れると、商品やサービスのシェアを確保するだけでなく、顧客満足を追求した商品開発によって競合他社との差別化を図れます。
STP分析
STP分析とは、効果的なマーケティング戦略を策定するための流れを定めたフレームワークのことです。
STPは、以下の頭文字を表しています。
Segmentation(セグメンテーション) ・・・市場を細分化する
Targeting(ターゲティング)・・・ 細分化された市場の中で、どの市場を狙うかを決定する
3Positioning(ポジショニング)・・・ ターゲティングした市場内での自社の立ち位置を決める
STP分析を取り入れると、利益を効率的に獲得できる市場を特定することができます。
論理的思考や創造的思考を助けるフレームワーク
論理的思考や創造的思考を助けるフレームワークをご紹介します。
OODAループ
OODAループは、環境に適応しながらスムーズに意思決定するための方法です。
OODAは、以下の頭文字を表します。
Observe(観察) ・・・自社の周り(業界・顧客・競合など)を観察してデータを集める
Orient(状況判断)・・・ 観察結果をもとに現状を判断する
Decide(意思決定)・・・ 判断状況に基づいて計画や手段を決定する
Act(行動)・・・ 計画を実行に移す
OODAループは、上記4つのステップを繰り返すことによって、成果を生み出しやすくなります。
マンダラート
マンダラートとは、曼荼羅(マンダラ)模様のような正方形のマス目に、アイデアを書いて思考を整理するフレームワークのことです。
作成方法は、以下の通りです。
1. 3×3マスの合計9マスの正方形を書く
↓
2. 中心のマスにメインとなる課題を書き込む
↓
3. 周りの8マスに関連するキーワードを書き込む
↓
4. 3で記載したキーワードの1つを別の3×3マスの正方形の中央のマスに書き込む
↓
5. 3に戻って、4の正方形の周りの8マスを埋める
1~5を繰り返してキーワードを深掘りすると、目標達成に必要なアクションを明確にできます。
業務の改善に役立つフレームワーク
業務の改善に役立つフレームワークをご紹介します。
ECRS
ECRSとは、業務フローで改善点を洗い出すためのフレームワークのことです。
ECRSは、以下の頭文字を表します。
Eliminate(排除) ・・・業務を排除できないか検討する
Combine(結合)・・・ 業務を1つにまとめられないか検討する
Rearrange(交換)・・・業務の順番や担当者を入れ替えられないか検討する
Simplify(簡素化) ・・・業務を簡単にできないか検討する
ECRSは、頭文字の順番通りに検討します。
BPMN
BPMNとは、業務フローを丸・四角・矢印などの図形を使って図式化するフレームワークのことです。
国際標準規格に認定されている表記方法です。
BPMNを作成すると、業務の流れを整理しながら課題を把握することができます。
BPMNは、以下のフロー図があります。
記述レベル・・・ 業務フローの俯瞰を目的とした簡単な図式
分析レベル ・・・業務の分析や改善を目的として例外的な業務フローまで取り入れた図式
システムで実行可能レベル ・・・外部システムとの連携や詳細なデータ項目まで考慮した複雑な図式
まとめ
フレームワークは、新規事業の立ち上げや業務改善など幅広いビジネスシーンで役立ちます。
また、フレームワークの内容や用途を身に付けると、職場や業務内容が変わっても使うことができます。
フレームワークを適切に活用して、合理的に仕事を進めていきましょう。
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