コラム

個人事業主が経費にできるものとは?経費にできるものとできないものについて解説

2023.09.08

個人事業主は所得に対し課税されるので、経費をきちんと計上して所得を明確にする必要があります。

 

経費をしっかりと計上することで、節税対策に繋がります。

 

「仕事場として自宅を使っていたり、取引先に行くのに自家用車を使っている場合、経費にしていいのかな・・・」といったように、何が経費にあたるのかよくわからないという方は少なくないようです。

 

今回は、個人事業主が経費計上できるものと、できないものについて解説します。

個人事業主の経費とは?

個人事業主の経費とは、事業を行うために必要な費用のことです。

 

事業用に使用した支出かどうかが経費の判断基準のため、プライベートで使用したものは経費ではありません。

 

例えば、事務所の家賃や、取引先に移動したときの車のガソリン代は経費になります。

 

確定申告では、売上から経費の金額や控除額を差し引いて、課税の対象となる所得(課税所得)を確定します。

 

所得税や住民税は、課税所得に対してかかるため、何が経費として計上できるのかということは非常に重要です。

 

経費が多いとそれだけ課税所得が低くなり、支払う税金も少なくなります。

経費にできるものとできないものの判断基準とは

事業による支出とプライベートによる支出の区別が曖昧になりやすいため、経費になるのかどうかの判断がしづらいことがあります。

 

国税庁では、経費は以下のように定義されています。(国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識 」)

 

・総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

・その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

 

経費になるのかどうか迷った場合、売上に直接つながる費用かどうかを見直すといいでしょう。

 

税務調査を受ける場合、その費用が業務とどのように関連するか聞かれます。

 

それに対して、明確な説明ができるかどうかを考えると判断しやすくなるでしょう。

個人事業主が経費として計上できるもの

判断に迷う費用は、事業に関係がある費用かどうか、その証拠が出せるかどうかで判断しましょう。

 

経費として計上できる費用は、以下のものが挙げられます。

仕入れ

仕入れ(商品を仕入れた代金)は経費に計上できます。

 

ですが、仕入れに使用したお金をそのまま経費にはできないため、注意しましょう。

 

経費になる仕入れ金額は売上に対する売上原価ですので、仕入れた商品が売れた時に、原価を経費として計上できます。

消耗品代

仕事に必要な消耗品にかかったお金は、経費として計上できます。.

 

例えば、パソコンやオフィスの備品などです。

 

ですが、10万円未満(税込)の物品に限られます。

 

なお、10万円以上の物品の場合、使用可能期間が1年未満であれば経費として計上ができます。

家賃

自宅を事業所として使用している場合、家賃を経費として計上することができます。

 

賃貸の場合、使用した面積で按分する方法と、使用した時間で按分する方法があります。

 

管理費や火災保険料も同じ割合で按分して経費として計上できます。

 

持ち家の場合、家賃がないため、経費として計上できません。

 

ですが、建物は減価償却費として計上することができます。

 

固定資産税や住宅ローンの金利、管理費、火災保険料など、自宅を所有していることで発生する費用は、事業の使用割合を掛け合わせて経費として計算できます。

通信費

インターネットや電話といった通信費も、経費として計上できます。

 

仕事で使っている時間から家事按分して経費を仕分けます。

 

また、送料、はがきや切手代も含まれます。

広告宣伝費

広告やポスティング費用を経費として、計上することができます。

 

掲載された日に使用された経費として計上されるので、雑誌のような掲載までに時間が空く媒体を使う場合、注意したほうがいいでしょう。

水道光熱費

水道、電気、ガスなどの料金を経費に計上できます。

 

自宅を仕事場として使用している場合、仕事で使っているスペースに応じて経費を算出して、計上します。

旅費交通費

会議、商談、出張といった事業で、移動した時にかかった費用を計上することができます。

 

電車、タクシー、飛行機などの公共交通機関だけでなく、自動車の移動時のガソリン代や有料道路通行料も含まれます。

飲食代

飲食代は、事業に関係があると説明できる場合、条件つきで経費になることがあります。

 

例えば、商談と次の商談までの空き時間にカフェで仕事をした時の飲食代は、経費として認められることがよくあります。

 

会議に向かう途中で食べたランチ代は、事業と直接関係がないため、経費にするのは難しいです。

団体の年会費

個人事業主は、国民健康保険組合加入や、業界の情報を入手するために、さまざまな業界団体に加入することがあります。

 

このような業界団体に支払う年会費などは、経費に計上できます。

慶弔金

取引先で不幸があった時の香典、結婚式に出席した時の御祝儀を経費にすることができます。

 

領収書がないため、出金伝票に、「いつ、誰に、いくら払ったのか」を書いておく必要があります。

 

招待状がある場合、保管しておきましょう。

 

ですが、慶弔金が常識の範囲を超えた金額であると、税務調査が入って、認められないことがある場合があります。

出張時の宿泊代に含まれる朝食代

出張中の食事代は、出張をしなくても必要な費用とみなされて、経費にできません。

 

ですが、朝食チケットが宿泊費用とセットになっている宿泊施設があります。

 

その場合、朝食代金が含まれていても、宿泊代として経費にすることができます。

 

ですが、スイートルームに泊まったり、豪華な夕食付きプランを利用した場合、事業の範囲を超えているとみなされて、経費計上できない可能性が高いです。

個人事業主が経費として計上できないもの

では次に、経費として計上できないものについて見てみましょう。

事業主のための支払い

法人と違って、個人事業主は、自分が受け取る給与を経費に計上できません。

 

個人事業主は、売上から経費を差し引いた残りが所得になります。

健康診断費

個人事業主の健康診断は法律で義務づけられておらず、任意のため、健康診断や人間ドックの費用は自費になります。

福利厚生費

個人事業主は、福利厚生費を経費として計上できません。

 

福利厚生費は従業員の生活向上や労働環境改善に使われる費用ですが、個人事業主は従業員ではないからです。

10万円以上のもの

建物・車両・機械といった取得金額が10万円以上の事業資産は、経費でなく固定資産として計上します。

 

計上後は、法定耐用年数によって、決算期に減価償却費として計上します。

プライベート用の支払い

自分の家をオフィスとして使用している場合、事業と関係ないプライべートの支払いは経費になりません。

 

事業に使っている家賃、光熱費、ガソリン代などは、家事按分して経費に計上します。

 

業務時間外に買い物のために車に乗った時のガソリン代は自費になります。

所得税・住民税・税金の延滞金

所得税・住民税・税金の延滞金も経費として計上できません。

個人事業主と生計がひとつである家族や親族への支払い

個人事業主が自分と生計をひとつである家族や親族にアルバイト代を支払った場合、原則として経費にすることができません。

 

ですが、青色事業専従者給与に関する届出書を税務署に提出したり、給与を支払う相手が1年の半分以上事業の手伝いをしているといった条件を満たすと、家族への支払いを経費として計上できます。

個人事業主が経費として計上するのが難しいもの

経費にできそうであって、計上することが難しいものもあります。

 

以下で見てみましょう。

メガネ代

メガネは、普段使用することがあるので、経費計上するのが難しいです。

 

パソコンを使って仕事をしている場合、パソコン用メガネを経費計上できることがありますが、プライベートでも使用する場合、業務上の使用割合を算出しなければいけません。

スーツ代

仕事に着るスーツは、普段も着ることがあるため、経費としてみなされにくいです。

スポーツクラブの会費

個人事業主の場合、福利厚生費が認められていないため、スポーツクラブの会費は経費として計上することができません。

 

ですが、従業員を雇っていて、全従業員が利用できるスポーツクラブの会費は、福利厚生費として経費として計上できます。

個人事業主が経費を計上する時の注意点

個人事業主が経費を計上する時の注意点には、どんな点があるのか見てみましょう。

普段から事業用支出とプライベート用支出を分けておく

事業用の支出とプライベート用の支出が混ざってしまうことがあります。

 

2つの支出を間違って計上することのないようにするために、事業用の銀行口座やクレジットカードを作っておくといいでしょう。

家事按分を正しくして経費計上する

個人事業主は、自宅を事務所にしたり、自家用車で取引先に行くことがあり、さまざまなものを事業とプライベートで兼用することがあります。

 

業務で使用した分を計算して、経費として計上することを家事按分と言います。

 

事業で使う割合をきちんと計算して、適切に経費計上しましょう。

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