コラム

プラチナえるぼし認定とは? 女性活躍推進法に基づく認定制度を解説

2023.06.09

えるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づいて、女性の活躍を推進している企業が取得できる制度です。

 

えるぼしのえるは、アルファベットのLで、Lady(女性)、Lead(手本)、Laudable(称賛)などを意味します。

 

女性活躍推進法は、女性が仕事で能力を存分に発揮して、活躍できる環境を整備するために制定された法律です。

 

今回は、えるぼし認定の認定基準や取得するメリットなどを解説します。

えるぼし認定とは?

えるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況が優良な企業を認定する制度です。

 

認定されると、えるぼし認定マークを商品や求人票などに使用できます。

 

えるぼしマークのデザインの由来は、社会で力強く活躍する女性をイメージしており、星のように輝く女性へのエールと、そんな輝く女性が増えていくようにとの願いを込めて、えるぼしとしました。

 

2022年1月末現在、プラチナえるぼしの認定企業は23社で、えるぼしは1641社です。

えるぼし認定基準について

仕事をする際に、女性が能力を発揮しやすい職場であるかという観点から、5つの評価項目の実績を女性の活躍推進企業データベースに毎年公表する必要があります。

 

5つの評価項目とは、以下の5つになります。

 

1. 採用
2. 継続就業 
3. 労働時間等の働き方
4. 管理職比率
5. 多様なキャリアコース

採用

えるぼし認定基準は、採用に関して以下いずれかの条件を満たしていること。

 

・男女別の採用競争倍率が同程度である(競争倍率=応募者数÷採用者数)
・女性正社員の割合が産業ごとの平均値以上、女性正社員の基幹的雇用管理区分における割合が、産業ごとの平均値以上である

継続就業

えるぼし認定には、継続就業に関する基準が2つあります。

 

企業は直近の事業年度にて、以下のどれかを満たしていなければなりません。

 

・雇用管理区分ごとの「女性社員の平均継続勤務年数」÷「男性社員の平均継続勤務年数」が、それぞれ7割以上である

・雇用管理区分ごとの「10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された女性社員の継続雇用割合」÷「10事業年度前およびその前後に採用された男性社員の継続雇用割合」がそれぞれ8割以上である

労働時間

認定には、労働時間の基準も定められています。直近事業年度の各月で、雇用管理区分ごとの社員の法定時間外労働、および法定休日労働時間の合計平均がすべて45時間未満でなければいけません。

 

雇用管理区分とは、社員の職種や雇用形態、就業形態などの区分で、それぞれ異なる雇用管理を行うために認定されている区分のことです。

管理職比率

女性の管理職比率の基準もあります。企業の管理職における男女比率は、以下のいずれかを満たしていなければなりません。

 

・直近の事業年度にて、管理職に占める女性の割合が産業ごとの平均値以上である
・直近3事業年度の平均した「課長級より1つ下位の職階にある女性社員のうち課長級に昇進した女性社員の割合」÷「課長級より1つ下位の職階にある男性社員のうち課長級に昇進した男性社員の割合」が8割以上である

多様なキャリアコース

多彩なキャリアコースに関する項目もあります。直近の3事業年度にて、大企業は以下の2項目以上、中小企業は1項目以上の実績を有する必要があるのです。

 

・女性の非正規社員を正社員に転換した

・女性社員のキャリアアップにつながる雇用管理区分の転換をした

・過去に在籍した女性を正社員として再雇用した

・おおむね30歳以上の女性を正社員として採用した

プラチナえるぼし認定とは

プラチナえるぼし認定は、2020年6月1日より女性活躍推進法に基づいて、厚生労働省が実施している「えるぼし」認定企業のうち、取り組みの実施状況が特に優良であるなどの、一定の要件を満たした場合に認定されるものです。

 

プラチナえるぼし認定を受けるためには、えるぼし認定(3段階のうちのいずれか)を受けているだけでなく、下記の要件を満たしている必要があります。

 

・えるぼし認定基準の5つの評価項目を、プラチナえるぼしの基準で全て満たしている
・策定した一般事業主行動計画に基づく取り組みを実施し、当該行動計画に定めた目標を達成している
・男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任している
・女性活躍推進法に基づく情報公表項目(社内制度の概要を除く)のうち、8項目以上を「女性の活躍推進企業データベース」で公表している

プラチナえるぼし認定は、えるぼしの基準よりも高い基準を求められており、えるぼし認定企業のうち、一般事業主行動計画の目標達成や女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が、特に優良である等の一定の要件を満たした場合に認定されます。

 

プラチナえるぼし認定を受けると、一般事業主行動計画の策定と届出が免除されます。

えるぼし認定のメリットとは

えるぼし認定を受けると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

えるぼし認定のメリットについてみてみましょう。

企業イメージの向上

プラチナえるぼしを得ると、企業イメージの向上につながります。

 

認定された企業は、厚生労働省のホームページで公表され、⼥性の活躍推進企業データベースに自社の取り組み状況が掲載されます。

 

また、自社商品やホームページにプラチナえるぼし認定マークを掲載できるので、PRして企業イメージを高めることができます。

公共調達で加点評価を受けられる

えるぼし認定、プラチナえるぼし認定を受けた事業主は、公共調達で加点評価を受けることができ、有利になる場合があります。

 

 

日本政策金融公庫による低利融資を受けられる

えるぼし認定を取得した企業は、日本政策金融公庫の働き方改革推進支援資金(企業活力強貸付)を、通常よりも低金利で利用できます。

 

働き方改革推進支援資金は、非社員の処遇改善を進めたり企業内に保育施設を整備したりする際の資金を借入できる仕組みです。

 

2021年7月現在の利率の引き下げ幅は最大0.65%で、返済負担を大幅に軽減できるケースがあります。

えるぼし認定の取り消しはあるのか?

えるぼし認定を取得した企業が、重大な法令違反または是正勧告を受けても是正していない場合、不認定や認定取消の対象となります。

 

数値基準を満たせなくなったからといって取り消されることはありませんが、事業主が申し出ることで認定を辞退することができます。

 

認定辞退した事業主は再度基準を満たすことで随時認定を受けられますが、法令違反などにより認定を取り消された場合には、取り消しから3年経過するまで再取得することができません。

まとめ

えるぼし認定は、女性の活躍を推進している企業の取得できる認定です。

 

えるぼし認定を取得すると、企業の広告活動や採用活動の際に、えるぼしマークを使用でき、企業のイメージアップを図ることができます。

 

企業の社会的なイメージは、商品やサービスの売上、採用活動の成否を左右するたね、非常に重要です。

 

企業の明るい将来のために、えるぼし認定を取得するといいでしょう。

一覧を見る