MA(マーケティングオートメーション)とは?メリットやデメリットなどを解説
2025.11.09
近年、効率的にマーケティング活動を展開するために、マーケティングオートメーション(MA)を導入する企業が増えています。
マーケティングオートメーション(MA)を導入すると、さまざまなメリットを得られるので、企業のさらなる発展につながります。
今回は、マーケティングオートメーション(MA)の意味、メリットやデメリットなどを解説します
マーケティングオートメーション(MA)とは
マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング担当者が行っている、成果につながる業務を、効率的に、かつ、効果的に実行できるように手助けする仕組みのことです。
人的リソースを削減しながら、質の高いマーケティング活動を継続的に実施できる点が大きな特徴です。
この仕組みを実行するソフトウェアを、マーケティングオートメーションツール(MAツール)と呼びます。
CRMとの違い
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客管理をおこなうツールです。
顧客の氏名や住所などの基本情報、購入記録、対応記録といった、顧客情報や顧客と自社の関係性を管理します。
マーケティングオートメーション(MA)でも顧客管理ができますが、見込み顧客の育成などのマーケティング活動の効率化を図るのに対し、CRMは、主に顧客情報を管理するために使われます。
マーケティングオートメーション(MA)が普及した背景
インターネットの普及と法人営業の手法の変化によって、マーケティングオートメーション(MA)を導入する企業が増え始めました。
また、国内の労働人口の減少に伴う人手不足や働き方改革の推進によって、マーケティングオートメーション(MA)を導入する企業も増えています。
世界情勢がめまぐるしく変化する中、企業経営は厳しくなってきており、法人営業のやり方を見直す意識が高まっています。
MAツールの基本機能
MAツールには、複数の基本機能が搭載されています。
ここでは、主な基本機能をご紹介します。
リード獲得機能(リードジェネレーション)
リード獲得機能(リードジェネレーション)とは、見込み顧客(リード)を獲得するための機能のことです。
サイトに誘導したユーザーに、個人情報を開示してもらうようアプローチすることによって、リードを獲得します。
具体的には、以下の機能が挙げられます。
・ポップアップ
・リコメンド
・プッシュ通知
・ランディングページやフォームの設置
・リターゲティング広告
リードを管理する機能(リード管理)
リードを管理する機能(リード管理)とは、リードジェネレーションのプロセスで獲得したリードを管理する機能のことです。
獲得したリードの情報をMAツールに内蔵されたデータベースに登録して管理します。
登録したリード情報は、更新や削除をしたり、セグメントやタグをつけることができます。
リードを育成する機能(リードナーチャリング)
リードを育成する機能(リードナーチャリング)とは、獲得したリードに、メールや電話、ポップアップやプッシュ通知、リターゲティング広告などを活用して、購買意欲を高めていく活動のことです。
リードナーチャリングを効果的に行うには、顧客の属性や嗜好、検討度合いなどの情報を把握する必要があります。
MAツールを活用することによって、このような情報を統合的に管理して、必要なタイミングで活用することができます。
リードの絞り込みを行う機能(リードクオリフィケーション)
リードの絞り込みを行う機能(リードクオリフィケーション)とは、たくさんのリードから受注確度の高いリード(ホットリード)を選んで、営業部門に引き渡すためのリストを作る活動のことです。
MAツールには、リードの属性やオンライン・オフラインの行動履歴などをもとに、受注確度を推測するためのスコアリング機能が搭載されています。
また、効率的に抽出したホットリードリストを営業部門に引き渡すために、SFA(営業支援システム)との連携機能が搭載されているツールもあります。
マーケティング業務を自動化する機能(オートメーション)
マーケティング業務を自動化する機能(オートメーション)とは、ルールにしたがって、リードへのアプローチやマーケティング業務を自動化するための機能のことです。
オートメーション機能を活用すると、マーケティング担当者がリードに対して行う施策を効率よく実施できます。
MAツールを導入するメリット
MAツールを導入すると、どのようなメリットがあるのか、以下で見ていきましょう。
効率的に営業活動ができる
MAツールを導入すると、見込み顧客をスコアリングしたり、行動を把握できるため、商談成功率の高い顧客を選別することができます。
時間や人材を有効活用できない従来の営業活動と異なり、商談成功率の高い見込み顧客に対して営業できるため、営業活動が効率化されます。
今まで受注できなかった案件や商談を獲得できる
今まで営業が見逃していた見込み顧客を、商談につなげることができるメリットがあります。
マーケティングオートメーションでのWebやメールを通じたコミュニケーションによって、見込み顧客の状況を見える化して、見込み度合いの高まっている顧客が判明できるようになります。
見込み顧客の情報を統合して、継続的にコミュニケーションをしながら、有望な見込み顧客を営業に効率的に引き渡す仕組みづくりができます。
営業の属人化を解消できる
従来、リード管理では、各営業担当者が顧客情報を管理して、リード対応や商談をしていました。
そのため、売上が、その営業担当者の力量に左右される属人化の問題が生じやすく、営業担当者の異動や退職時に、情報の引き継ぎ漏れが発生しやすくなりがちでした。
ですが、マーケティングオートメーションを導入すると、リード情報や顧客対応履歴をツール内で管理できるため、スムーズな報共有が可能になります。
どの営業担当者でも顧客の状況やニーズに応じた適切なアプローチをすることができ、営業活動の標準化と効率化が実現されます。
したがって、全体的に営業の質が向上して、組織全体の売上アップも期待できます。
MAツールを導入するデメリット
MAツールはメリットだけでなく、デメリットもあります。
今度は、MAツールを導入するデメリットを挙げてみましょう。
コストがかかる
MAツールを導入すると、初期費用や月額費用といった費用がかかるため、導入後のランニングコストを考えてから導入する必要があります。
また、MAツールを導入してから、売上につながるには時間がかかるため、中長期的に活用することも理解することが重要です。
コンテンツが必要になる
自社製品やサービスを見込み顧客に興味をもってもらうには、見込み顧客にメリットと感じてもらえるコンテンツを設定し、提供する必要があります。
例えば、バイオリンの上達方法というコンテンツを、ピアノ奏者に提供した場合、ピアノ奏者はメリットを感じられず、そのサービスや企業に対して関心を失ったり、迷惑な情報提供として不快な感情を抱く可能性があります。
見込み顧客の自社への信頼感を高めてもらうために、見込み顧客のためになるコンテンツを設定することが重要です。
運用が難しい
MAツールは、ツールを使いこなせる人材がいないと運用が難しいというデメリットがあります。
MAツールには、さまざまな機能があるため、使いこなせると、効果的なマーケティング活動を行えます。
ですが、MAツールを運用するには、マーケティングの知識があって、運用方法を把握している人材が必須となります。
そのため、自社にツールを導入する際には、専任者を設定したほうがいいでしょう。
MAツールを導入する方法
ここでは、MAツールを導入する方法を見ていきましょう。
課題を洗い出す
どのような課題があるのかを洗い出して、それを解決できる製品を検討しましょう。
導入するツールを選ぶ
複数のツールを比較して、自社に必要な機能を有しているツールを選びましょう。
また、ツールの価格も検討しなければなりません。
一般的に、MAツールは、クラウド型の月額課金モデルで提供されているものが多いので、長く使うと、それだけコストがかかります。
また、多機能・高価格な製品を導入したにもかかわらず、不要な機能が多いと、無駄なコストになってしまいます。
仕組みやフローを構築する
MAツールを導入後に、どうやってマーケティングオートメーションを活用していくのかを設計する必要があります。
例えば、ペルソナを設計したり、カスタマージャーニーマップを策定することになります。
他部署と連携する
マーケティングオートメーションは、マーケティング部門だけで運用しても、効果が上がらないため、営業部門と密な連携をすることが重要です。
役割分担を明確にし、情報共有しながら、効果検証を続ける必要があります。
まとめ
マーケティングオートメーションは、企業の商談数や売上アップにつながるツールです。
見込み顧客の管理、リードの育成、適切なタイミングでの情報提供など、多岐にわたる機能があり、マーケティング活動を効率化できます。
将来的な企業の成長のために、MAツールを導入してみてください。
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