社外取締役とは?求められる役割や就任要件、選び方を解説
2025.11.01
取締役と言うと、一般的に、社内取締役のことです。
ですが、社内取締役とは別に、社外取締役が選任される場合もあります。
両者は、同じ取締役という肩書ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、社外取締役が求められるようになった背景、設置が必要な企業、役割などを解説します。
社外取締役とは
社外取締役は、会社と利害関係のない外部から招待された取締役です。
社内取締役は、社内の従業員から昇進して就任しますが、社外取締役は、スカウトや紹介を通じて社外から招かれて就任します。
社内取締役は、企業内部の視点で業務を執行しますが、社外取締役は、独立した立場から経営を監督する役割を担います。
社外取締役と社内取締役の違い
社外取締役は、会社の外部から招いた取締役ですが、社内取締役は、創業経営者や従業員から登用した者など、就任以前から会社と緊密な関係があった取締役のことです。
会社の経営の中枢は、社内取締役が担うことが多いですが、社外取締役は、経営の監視やアドバイザー的な役割が求められます。
ですが、会社や株主の不利益となるおそれがある場合、社外取締役が業務執行に関わることがあります。
社外取締役を設置すべき会社
以下に該当する会社は、社外取締役を設置する必要があります。
上場企業
上場企業は、法律で社外取締役の選任が必須となっています。
ですが、企業が社外取締役の活用に消極的だったり、社外取締役と会社内部の役割認識がずれているなど、役割をうまく活用できていないこともあります。
社外取締役が、コーポレートガバナンスに実効性を発揮できるような取り組みが求められています。
上場を目指す非上場企業
株式上場を目指す非上場企業は、社外取締役の設置を考えておいたほうがいいでしょう。
上場審査では、上場企業と同様の機関設計や運営がなされているかをチェックされることがあります。
今は非上場企業でも、株式上場を見据えた体制づくりとして、社外取締役の設置を検討することが大切です。
社外取締役の役割
社外取締役にはどのような役割があるのか、以下で見てみましょう。
取締役会に参加する
社外取締役は、取締役会に参加して、アドバイスをする必要があります。
取締役会は、3か月に1回は開催されます。
取締役会で有意義な議論をするために、事前に情報収集をすることが重要です。
株主と対話する
会社法で、株式会社の所有権は株主にあると定められています。
株主は、直接、経営に関われませんが、株主総会で意見を述べることはできます。
社内取締役が、企業の方向性や経営戦略を決定しますが、社内取締役の判断だけでは、株主の利益が損なわれたり、少数株主の意見が反映されにくい事情があります。
そのため、社外取締役は、株主と対話して経営陣との橋渡しをすることによって、株主との信頼構築や株主価値の向上に努める役割があります。
コーポレート・ガバナンスの強化
社外取締役は、コーポレートガバナンスの強化のための監督や助言をします。
企業の内部経営だけでは、経営陣が社内の論理を優先した判断をしたり、不正が行われることによって、株主どのステークホルダーに不利益が生じるおそれがあります。
そのため、社外取締役が客観的な立場で会社経営を監督し、株主の利益を代弁すると、利益相反を防止できます。
経営について助言する
社外取締役は、企業経営に助言する役割もあります。
社外取締役は、会社の業務執行や経営判断の主体にはなりませんが、経営方針や経営の改善について、経営陣に助言することが求められています。
社外取締役の任期
社外取締役の任期は、会社の定款によって定められますが、一般的に、1~2年が多いです。
社内取締役の最長任期や定年が定められていることは、ほとんどありません。
ですが、客観性や独立性を確保するために、在任期間が過度に長くならないようにすることが重要です。
社外取締役にふさわしい人材は多くないため、他社と掛け持ちすることがありますが、社外取締役としての責任と役割を果たしていれば、問題ありません。
社外取締役の就任要件
社外取締役の就任要件は、会社法第2条15号に定められていますが、会社とグループ会社に利害関係を持たない人物でなければいけません。
会社法第2条15号によると、社外取締役の要件は、以下の通りです。
・会社や子会社の業務執行取締役や従業員でなく、その就任前10年間は会社や子会社の業務執行取締役等であったことがない
・就任前10年以内に会社や子会社の取締役、会計参与、監査役であった場合、取締役、会計参与、監査役への就任前10年間は会社や子会社の業務執行取締役等でない
・親会社の取締役や従業員でない
・親会社の子会社などの業務執行取締役等でない
・会社の取締役、重要な従業員、会社の経営を支配する者の配偶者や二親等内の親族でない
社外取締役の選び方
社外取締役の選び方について見ていきましょう。
既存の経営陣から独立している
社外取締役は、客観的な対応が求められるため、既存の経営陣との独立性は重要です。
既存の経営陣と親交がある人を避けて、忌憚のない意見を述べられる人が適しているでしょう。
経営陣が持っていないスキルや経験がある
社外取締役が、既存の経営陣が持っていない、スキルや経験があることは重要です。
既存の経営陣に「企業経営を行なううえで不足するスキル」があれば、当該スキルの保有者を選ぶとよいでしょう。
経営経験があるかどうか
企業経営の監視や監督をする社外取締役は、自分の経営経験も重視されます。
アドバイスをする場合、実体験がものをいうからです。
また、リーダーとしての素質や戦略的視点も確認しておきましょう。
他社で取締役等を兼任しているか
候補者が、他社での取締役等の兼任に関して、どれだけの数を抱えているかをチェックしましょう。
多くの会社を兼任する社外取締役は、ニーズがあるからです。
さまざまな経験を保有する候補者は、自社に豊富な視点をもたらすことが期待できるでしょう。
社外取締役に多い経歴
社外取締役に多い経歴を挙げてみましょう。
・経営経験者
・弁護士
・公認会計士/税理士
・金融機関
・学者
・官公庁
・コンサルティング
経営経験者が、46%となっています。
まとめ
社外取締役は、社内取締役が持っていないスキルを持ち、客観的な視点から忌憚のない意見を述べる人が適任です。
自社の事業内容や経営陣の陣容を分析して、外部の経営者や資格専門職などから社外取締役の適任者を探すといいでしょう。
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