ピープルアナリティクスとは?メリットやデータ例、導入方法を解説
2025.10.24
「従業員満足度を高めたいけど、何をしたらいいのかわからない」とお悩みの方もいるでしょう。
この課題に対して、データを活用して解決に導く、ピープルアナリティクスという考え方に注目が集まっています。
今回は、ピープルアナリティクスのメリットや導入方法などを解説します。
ピープルアナリティクスとは
ピープルアナリティクスは、給与、労働時間、成果といった人事に関するデータを収集して分析し、採用や人事配置などの業務を効率化する手法です。
統計的に解析するので、従来の人事評価よりも精度が高く、人事業務を戦略化できます。
デジタルで人事業務ができるので、人事のデジタル化とも呼ばれています。
例えば、給与管理システムや出退勤管理システムが挙げられます。
また、Web会議の状況のデータ化やファイル作成数などの業務状況をデータ化している企業もあります。
ですが、従業員の働く環境を詳細に分析できますが、セキュリティを徹底しないと、従業員が抵抗することもあるでしょう。
ピープルアナリティクスのメリット
ピープルアナリティクスのメリットを挙げてみましょう。
採用力を強化できる
ピープルアナリティクスによって、精度の高い採用活動ができます。
従来、採用活動は、人事担当者の経験や価値観によって行われてきましたが、そこには、感情的なバイアスが生じていました。
ですが、ピープルアナリティクスを実施すると、自社で活躍している人材のタイプを分析し、応募者と照らすことによって、適合度を客観的に判断できるようになります。
経験や価値観だけで採用するよりも、精度が高くて公平性のある採用活動ができます。
効率的に人材育成できる
ピープルアナリティクスでは、従業員のスキルや個性をデータとして可視化します。
昇給率、昇格スピード、研修活用率から成長の度合いを測定するので、効率的な人事育成ができます。
また、行動データや人材データなどを活用すると、仕事の課題を見つけることもできるでしょう。
離職率が低下する
ピープルアナリティクスを実施すると、離職率が低下するメリットもあります。
適切に人事評価をすると、従業員のモチベーションが上がります。
ピープルアナリティクスによって、従業員の行動データを分析すると、「以前より意欲的に働けているか」といった状況も把握できます。
ピープルアナリティクスで活用するデータ
ピープルアナリティクスで活用するデータについて見ていきましょう。
人材データ
ピープルアナリティクスの分析で基盤となる人材データは、従業員の年齢や性別、所属部署、給与といった属性を示す情報です。
従業員の具体的なスキルも収集できると、より良いでしょう。
勤務データ
勤務データとは、勤務時間、有給取得率、休職率といったデータのことです。
働き方改革や離職率の改善に使われます。
デバイスデータ
デバイスデータは、社内のパソコンなどの使用履歴のことです。
従業員の勤務に関する明確な情報として分析することができます。
オフィスデータ
オフィスデータとは、オフィス設備の利用状況に関するデータのことです。
会議室や複合機の使用状況から、最適な設備数や配置を検討できます。
また、休憩室の使用状況によって、従業員のコミュニケーション頻度を間接的に調べることができるため、働く環境を整えれます。
行動データ
行動データは、従業員の就業時間での行動に関するデータのことです。
エクスペリエンスデータと呼ばれることもあります。
社内報サイトの閲覧状況、メールやチャットの送信情報、会議室の利用状況、出社やリモートワークの選択状況など、取得可能なすべてのデータを指します。
社員証にセンサーが内蔵され、オフィス内での行動データを取得できるようにする、社用車や社用携帯にGPSをつけて位置情報を把握できる状態にするといった取り組みをする企業もあります。
コミュニケーションデータ
コミュニケーションデータは、社内で繰り広げられるすべてのコミュニケーションに関するデータです。
コミュニケーションツールの利用状況から、報連相の頻度を見たり、部署ごとのコミュニケーションの質を分析できます。
コミュニケーションの状況と、生み出される成果との関係性を分析すれば、業績改善のポイントを洗い出せるでしょう。
ピープルアナリティクスの活用例
ピープルアナリティクスの活用例をご紹介します。
従業員データを分析する
新入社員の採用活動をする時にも使えます。
従業員の属性情報から、年齢、男女、勤務年数、学歴、専門性の構成データを把握しておくと、会社が必要としている人材の年齢層やスキルを適切に分析できるのです。
また、入社後のパフォーマンスや評価を確認できると、どのようなスキルが向上するのかを判断できます。
適材適所に配置する
採用した従業員の適切な配属や教育にも活用できます。
従業員のスキル、資格、経験、学歴、適正検査のデータを組み合わせると、従業員の仕事の相性を把握できるため、パフォーマンスを最大限活かすことができます。
離職率を軽減できる
過去の離職率を分析すると、離職を減らすことができるでしょう。
また、離職率が高い場合、ピープルアナリティクスで離職の原因を突き止め、改善していくことができます。
ピープルアナリティクスの導入手順
ピープルアナリティクスを導入する際の手順をご紹介します。
課題を明確にする
ピープルアナリティクスをどうして導入するのか、その課題を明確にしましょう。
「採用の精度を上げたい」など、解決したい課題を具体化することが大切です。
経営陣、人事担当者、現場のマネージャー、従業員など、さまざまな意見を取り入れて、課題を設定する必要があります。
多角的な視点から課題を捉えると、実効性の高い分析ができます。
必要なデータを収集する
分析に必要なデータを体系的に収集しましょう。
人事データとしては、従業員情報、勤怠データ、評価結果、研修履歴、従業員アンケート結果が挙げられます。
また、個人情報保護法などの法令遵守だけでなく、従業員のプライバシーに十分配慮して、データを収集することが重要です。
また、こういったデータを統合的に管理できるシステムを構築する必要があります。
分析と検証をする
データを収集したら、分析と検証をしましょう。
データは抜けがないように管理する必要があります。
解決策と改善案を検討する
収集したデータから、傾向を見い出せたら、解決策と改善案を検討することが大切です。
改善案を導入する場合、全従業員に、改善案を取り入れることになった理由や、根拠となるデータを共有すると、理解を得られやすいでしょう。
ピープルアナリティクス導入時の注意点
ピープルアナリティクス導入時の注意点について見ていきましょう。
個人情報の取り扱い方
ピープルアナリティクスは、多大な個人情報を取り扱うため、大きな問題にならないように、実施する時に、以下を確認しておきましょう。
・従業員の個人情報の利用目的を伝える
・収集する情報を従業員に伝える
・従業員から情報提供の了承を得る
担当者のデータ分析スキル
ピープルアナリティクスでは、分析担当者のスキルが重要です。
良質なデータを用意しても、適切な分析ができないと、効果は出ません。
社内に適任者がいない場合は、データサイエンティストやデータアナリストの知識を持っている人材を、外部から採用するといいでしょう。
データの整理
社内のいろいろな場所に、ピープルアナリティクスに必要な情報が散在している場合、データを整理しましょう。
属人性の強いデータは先入観が入ることがあるため、データの凡例や入力基準を明確に定めることが大切です。
まとめ
ピープルアナリティクスは、採用、育成、離職防止など幅広い課題を解決できる手法です。
導入することによって、データに基づいた客観的な人事判断ができ、持続的な成長基盤の構築ができます。
自社の人事課題を明確にして、小規模なプロジェクトから始めてはいかがでしょうか。
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