クリティカルシンキングとは?メリットや鍛える方法などを解説
2025.07.26
クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキングとは、物事の本質を見極めるために、多角的な視点を持って、論理的で客観的に考える思考法のことです。
認識した情報をあえて批判的に見ることで、客観性を高めるのです。
クリティカルシンキングは、批判的思考と訳されますが、批判のために誤りや欠点を探すのではありません。
クリティカルシンキングの基本姿勢は、解決すべき課題がある時に、前提条件に対して、「本当に正しいのか」「前提条件の根拠はどこにあるのか」を疑って、物事の本質を見極めていくことです。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングの違い
クリティカルシンキングに似た考え方として、ロジカルシンキングがあります。
論理的思考とも呼ばれています。
クリティカルシンキングは、客観的な視点から物事を多角的に捉えて、本質を見抜く思考力のことです。
つまり、クリティカルシンキングは、物事に対して、「これは本当に正しいのか?」「他に方法はないのか?」と疑いながら考えることが特徴です。
一方、ロジカルシンキングは、物事を論理的に整理して筋道を立て、矛盾なく考える思考力のことです。
ロジカルシンキングは、主観や感情を挟まないで事実をもとに思考するため、客観的に考えるという点では、クリティカルシンキングと同じです。
クリティカルシンキングとロジカルシンキングとの違いは、前提を疑うかどうかという点にあります。
例えば、「販促費用200万円で、春と秋にセールをする」という課題があるとします。
2つの思考法によるアプローチの例をご紹介します。
[クリティカルシンキング]
・セールをしたほうがいいのか?
・春と秋ではなく、夏と冬にセールをした方が効果があるのでは?
・春と秋のセールをやめて、随時キャンペーンをやったほうがいいのではないか?
[ロジカルシンキング]
昨年の春のセールで売上が40%上がり、秋は20%売上が上がった
↓
春のセールの方が、費用対効果が高い
↓
在庫は夏向けの商品が多い
↓
夏のセールに一本化して、販促費用100万円を使った方が良い
クリティカルシンキングが注目される理由
2020年10月に世界経済フォーラムで発表された「仕事の未来レポート2020」によると、クリティカルシンキングは企業の成長に必要なスキルとして認められています。
では、クリティカルシンキングが注目される理由を挙げてみましょう。
絶えずビジネスの環境が変化している
技術の発達などによって、ビジネス環境は常に変化しています。
過去の成功事例に囚われて、新しい時代に向けたサービスが提供ができないと、企業は競合他社に顧客を奪われてしまいます。
クリティカルシンキングは、物事が現在正しいかどうかを検証できるため、課題を洗い出し、新しい考え方を取り入れるのに最適な手法です。
価値観が多様化している
多数の人に支持される商品やサービスが減ってきている現在、1つの価値観に合わせた考えでは、ビジネスを成功へと導けません。
従来正しいと考えられてきた成功パターンをもとに考えていいかを判断できるクリティカルシンキングは、価値観の多様化に柔軟に対応できます。
クリティカルシンキングをするメリット
クリティカルシンキングをすると、どのようなメリットを期待できるのでしょうか。
以下で見てみましょう。
問題解決能力を高めることができる
問題を解決するには、正確な情報を収集・分析し、適切な解決策を導き出す能力が必要になります。
クリティカルシンキングを身につけると、問題を深く理解して、適切なアプローチを選択する能力を磨けます。
また、物事の矛盾や思考の漏れを減らせるので、スムーズな意思決定ができるようになります。
物事の本質を見極めやすくなる
クリティカルシンキングは、前提条件から考えるので、主観や臆測、矛盾点などをなくすことができます。
客観的に物事を捉えて本質を理解すれば、ビジネスにおける判断の精度を高められます。
新しいアイデアを生み出すことができる
クリティカルシンキングは、問題を解決するための論理的な思考プロセスであるため、問題を客観的に見ることによって、新しいアイデアを発見することができます。
クリティカルシンキングをする際のポイント
クリティカルシンキングを効果的にするためのポイントをご紹介します。
目的を明確にする
「何を」「いつまでに」「どの程度」を設定して、クリティカルシンキングをする目的を明確にしましょう。
目標が明確であると、目標達成に必要な情報やどのような視点で問題を捉えればいいかを把握できます。
前提が正しいか確認する
前提に対して、疑念を持ちながら正しいかどうかを検証しましょう。
その際に、自分の経験や主観が入ってしまうと、分析結果に誤りが出やすくなるため、事実に基づいた検証をすることが重要です。
課題から仮説を立てる
課題から仮説を立てましょう。
仮説とは、こうすれば課題が解決するのではないかと具体的に考えることです。
複数の仮説を立てると、さまざまな視点からのアプローチが可能になり、課題解決の精度が向上します。
施策を実行する
課題をすべて洗い出したら、課題解決のためにPDCAを回しましょう。
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のことです。
PDCAを継続的に行うことによって、課題解決を目指します。
クリティカルシンキングの鍛え方
ここでは、クリティカルシンキングの鍛え方を見ていきましょう。
常に疑問を持つ
物事を何も考えずに理解するのではなく、こういうものだという前提条件を疑って、「これで正しいのか?」と常に疑問を持つことが求められます。
事柄を深く考えることによって、物事の本質を見極める眼と心が培われていきます。
仮説に対して疑いを持ち反論を検討する
「問題はないのか?」と、前提条件を正しいものとして受け入れずに疑いの目で見て、検証することで、クリティカル・シンキングの思考プロセスが少しずつ身についてきます。
事実と意見を区別する
客観的な事実と主観である意見を区別しましょう。
会議で主張した時に、事実と意見が混ざってしまうと、相手は事実を正しく認識できず、認識の齟齬が発生するからです。
事実と意見を明確に区別するために、日頃から自分の思考や、他者の発言を事実と意見に区別して、思考力を鍛えましょう。
まとめ
「その前提は正しいのか」と考えたり、「他の視点はないか」と思考を広げると、クリティカルシンキングの能力を鍛えることができます。
普段から取り組むことで、誰でもクリティカルシンキングを向上させることができます。
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