業務委託とは?メリットなどについて解説
2023.09.19
近年、働き方改革の影響で、正社員や派遣社員の雇用労働ではなく、業務委託を活用する企業が増えています。
「業務委託は、フルタイムで働けない人が働けるイメージがあるけど、どんな働き方をするのかよくわからない・・・。」という方も少なくないようです。
今回は、業務委託のメリットとデメリットなどについて解説します。
業務委託とは
業務委託とは、企業が業務を外部事業者や個人に委託することです。
委託者(仕事を依頼する側)と受託者(仕事の依頼を受ける側)の関係であるため、雇用契約ではありません。
そのため、委託者が受託者へ仕事を依頼する場合、対等な立場になります。
具体的には、どの業務を、いくらで、いつまでにするという取り決めをして、約束を守ると、報酬が発生します。
業務委託の種類
業務委託には、どのようなものがあるか見てみましょう。
請負契約
請負契約とは、成果物の完成によって報酬が発生する契約のことです。
逆に言うと、納期までに成果物が納品されなければ、委託者は報酬を支払う必要がありません。
受託者の例としては、デザイナー、プログラマー、ライターなどが挙げられます。
また、納品後の成果物に不具合が見つかったら、受託者は、依頼通りに修正しなければいけません。
委任契約
委託契約は、依頼された業務を遂行すると報酬が発生しますが、成果物の完成に責任がありません。
つまり、依頼された業務でやるべきことをすることになるため、依頼通りにできなくても、修正をする必要がありません。
例えば、医師や弁護士、受付業務、美容師などが挙げられます。
法律行為以外の業務を委託する場合に結ぶ契約は、委任契約ではなく準委任契約と呼ばれています。
業務委託契約のメリット
業務委託契約のメリットは、どのようなものがあるのか見てみましょう。
得意な業務だけに絞って依頼を受けることができる
業務委託では、雇用主と主従関係がないため、特定の業務を強制されることがなく、興味のない案件を断ることができます。
そのため、得意な領域に絞って受託することができ、専門性を発揮することができます。
苦手な分野の業務依頼を受けることがないため、自身の社会的な評価を高めることができます。
時間や場所の制約を受けずに仕事ができる
業務委託契約では、勤務時間や就労場所にとらわれずに、自由に仕事ができます。
このような働き方をすると、ワークライフバランスを実現できます。
高収入を狙える
雇用契約のように報酬が決まってないため、成果物の内容や量によっては、会社員以上の収入を狙える可能性があります。
ですが、高単価の案件を受けるには、高いスキルや知識を求められるため、経験を積みながらスキルアップをして、徐々に高単価の案件を受託するといいでしょう。
能力が成果物で評価される
業務委託契約をすると、成果物で評価が決まります。
実力があると、高単価の案件を受けたり、紹介などによって新たな案件を受けることができます。
雇用契約の場合、仕事への姿勢など、成果物以外の要素も評価されるため、実力だけで評価されることは少ないでしょう。
業務委託契約のデメリット
次に、業務委託契約のデメリットについて見てみましょう。
労働基準法が適用されない
業務委託では、労働基準法が適用されません。
最低賃金や労働時間などに関する決まりがないので、時給換算で最低賃金を割るような、割に合わない労働をしなくてはいけないことがありあります。
また、労働時間や年間休日数の決まりがないため、キャパシティを超える案件を引き受けないようにするため、仕事量やスケジュールを調整する必要があります。
雇用保険や労災保険に加入できない
雇用保険や労災保険は雇用契約を結んでいる労働者が対象のため、業務委託の場合、雇用保険や労災保険に加入できないことはデメリットです。
病気やケガなどのリスクに備えたい場合、民間保険や共済の加入を検討するといいでしょう。
自分で仕事を探したり、契約をする
業務委託を受ける場合、仕事探しや契約、確定申告などを自分でしなければいけません。
業務委託を始めてまもない頃は、実績が少ないため、仕事を受けるのに時間がかかるため、工夫をしましょう。
収入やキャリアが安定しにくい
雇用契約とは違って、定期的に仕事を得られるかがわからないため、収入を安定させることは容易ではありません。
場合によっては、無収入の期間が続く可能性があります。
企業のような評価制度がないため、キャリアアップがなく、自分で実績を積み上げなければいけないでしょう。
業務委託契約書の書き方
業務委託契約書の書き方について解説します。
業務委託契約書に記載が必要な項目は、委託業務の種類によって違います。
業務委託契約書の書き方は、決まってないため、インターネット上で掲載されている業務委託契約書のテンプレートを使ったり、自社でカスタマイズするのもいいでしょう。
記載項目は、主に以下のものになります。
業務内容
委託業務内容は、明確に記載する必要があります。
例えば、秋の縄編みニットトップスのデザイン3型といったように、具体的に書きます。
委託内容が多い時は、資料を作成して、そのことを契約書に記載しましょう。
契約期間
業務委託の開始日と納期を記載しましょう。
また、契約期間満了後の自動更新の有無やその方法も記載する必要があります。
納期の修正についても記載しておきましょう。